合成燃料
ユーグレナ 三菱UFJ信託銀行からマレーシアのバイオ燃料プラント向け資金調達 2025/5/12
ユーグレナは、三菱UFJ信託銀行が、ユーグレナの特別目的会社(SPC)Euglena Sustainable Investment Limited(ESIL)が発行する優先株式に対して、最大3,000万ドルを出資する契約を締結したと発表した。ユーグレナは、バイオ燃料事業の商業化を目指して、マレーシアのペトロナス、イタリア・エニの子会社エニリビと共同で、ペトロナスのペンジェラン複合施設の敷地内にSAFおよびHVO(バイオディーゼル燃料)を1日あたり最大12,500バレル製造できるプラント建設を推進している。ユーグレナは2024年12月にプロジェクト建設・運営合弁会社の5%の株式を取得しているが、契約上最大15%まで引き上げる権利を有している。ユーグレナは、三菱UFJ信託銀行からの出資金を活用して、合弁会社への出資比率を15%まで引き上げる方針だ。三菱UFJ信託銀行は、ESILを通じてプロジェクトに参画し、SAFサプライチェーン構築を支援していくとしている。
岩谷産業 タイでバイオエタノール由来炭酸製造を検討 2025/5/16
岩谷産業は、タイの子会社である泰国岩谷が、バイオエタノール由来の液化炭酸ガスプラントの設立を検討していると発表した。タイでは、石油精製由来の炭酸ガス生産量が設備の老朽化やカーボンニュートラルの流れを受けて縮小傾向となっていて、2022年には深刻な炭酸ガス不足が発生した。検討しているプラントは、サトウキビを原料としたバイオエタノールを製造する際に発生する副生成物の炭酸ガスを液化して取り出すもので、サトウキビの成長過程で炭酸ガス(CO2)を吸収しているため、従来石油精製由来の炭酸ガスに比べて、CO2排出量の大幅な低減を見込む。タイを含む東南アジアでは炭酸ガス不足による需要があり、岩谷産業はタイの新プラントから日本を含めたタイ周辺国への輸出も検討している。
CO2回収、DAC、CCUS
三菱重工 関西電力発電所設置CO2回収パイロットプラントが稼働を開始 2025/5/14
三菱重工は、関西電力姫路第二発電所(兵庫県姫路市)にCO2回収パイロットプラントを新設し、5月14日竣工式を開催したと発表した。パイロットプラントのCO2回収能力は1日あたり約5トンで、発電所のガスタービンから排出される排ガスからのCO2を回収する。三菱重工は、1990年から関西電力と共同でCO2回収技術の研究開発を実施していて、新設のパイロットプラントで、次世代のCO2回収技術の実証を行う。
また、三菱重工は2022年にエクソンモービルと提携を行い、共同開発中の次世代CO2回収技術についても、新設パイロットプラントで実証を行っていくとしている。
住友商事 東北大学と次世代半導体原料合成CCU実証を開始 2024/5/14
住友商事は、東北大学と共同で、CO2とシリコン系産業廃棄物を活用した炭化ケイ素を合成する「カーボンリサイクル型炭化ケイ素合成技術」の開発実証事業を開始すると発表した。今後、大量に廃棄が見込まれる太陽光発電パネルから、リサイクルの難しいシリコン部分を再利用し、CO2と合成して炭化ケイ素生成する。住友化学は、原料となるCO2とシリコン系産業廃棄物の安定調達調査、および国内外の市場開発を担当。東北大学は反応条件の最適化や高純度化プロセス検証を担当する。実証事業は、中国電力大崎発電所内のカーボンリサイクル実証研究拠点で行い、2025年4月から2028年3月までを予定している。
体制
日鉄エンジ グループのエネルギープラント事業を再編 2025/5/12
日鉄エンジニアリング(NSE)は、日鉄パイプライン&エンジニアリング(NSPE)のプラント事業を会社分割によりNSEに承継すると発表した。これにより、NSEは水素・アンモニアの受入・貯蔵・払出、およびCCS等のプラントについて事前検討からEPSまでの一貫提供を行う。NSPEは、天然ガス、水素、アンモニア、CO2、水などの資源・エネルギーのパイプラインを中心としたエンジニアリングを行う。事業承継は2025年10月1日を予定する。
東洋エンジ しが水素拠点形成コンソーシアムに入会 2025/5/13
東洋エンジニアリングは、滋賀県での水素供給拠点形成に向けた検討を行う「しが水素拠点形成コンソーシアム」に入会したと発表した。滋賀県は、滋賀県での化石燃料の代替としての水素需要が約20万トン/年と試算をしていて、水素エネルギーの供給体制の整備、需要拡大のためのプロジェクトを創出する。コンソーシアムには、東洋エンジニアリングのほかに、積水化学工業や千代田化工建設などが会員として参画している。滋賀県は、6月2日にコンソーシアムのキックオフイベントを行う。
プラスチック
パナソニックGr ナイロン系樹脂にセルロースファイバー添加で高強度化 2025/5/15
パナソニックHDは、ナイロン系樹脂に植物由来のセルロースファイバーを40%添加することで、エンジニアリングプラスチックと同等の強度と成形性を有することを確認したと発表した。パナソニックGrでは、これまでセルロースファイバー高濃度に複合した成形材料「kinari」を開発してきた。今回、エンジニアリングプラスチックとの複合化技術の開発を進め、PBT-GF30%(ポリブチレンテレフタラートのグラスファイバー30%含有品)と80℃の温度条件下で同等の強度を有し、かつ比重が小さい成形材料の開発に成功した。パナソニックGrは、2027年までに高強度樹脂ペレットの販売を目指し、家電筐体や車載機構部材、大型家電外装などへの展開を進めるとしている。
M&A、出資
双日 日本エイアンドエルを子会社化 2025/5/15
双日は、住友化学及び三井化学と、SBRラテックスやABS樹脂の製造・販売・研究開発を行う日本エイアンドエルの株式売買契約を締結したと発表した。2025年7月を目途に、双日が日本エイアンドエルの株式66.5%を取得し、連結子会社化する。日本エイアンドエルは、住友化学と三井化学の出資による合弁会社で、EV用LiB負極バインダー向けSBRラテックスで高い技術力を持つ。また、紙加工用SBRラテックスでも日本で高い評価を得ている。双日は、強化領域のひとつとして「エネルギー・素材ソリューション」を揚げていて、グローバルな顧客・物流ネットワークや人材の活用により、日本エイアンドエルの価値向上を目指すとともに、EVや蓄電池市場での事業拡大に取り組むとしている。
決算
ニュースウォッチ
- 出光、CO2排出「実質ゼロ」ガソリン 給油所で販売開始 2025/5/12
- CO2回収、「分子のジャングルジム」で低コスト クラサス 2025/5/13
- 住商、地場リニコラとバイオエネ事業 2025/5/14
- ナノマレーシア、日本企業と水素利用で協力 2025/5/15
- 豪州水素事業後退、日系も目標棚上げ 2025/5/15
- バイオエタノール業界、英米関税協定に警鐘 2025/5/15
- eメタノール、デンマークで初の量産開始 2025/5/15
- BASF、ドイツ南西部拠点でアンモニア生産開始 2025/5/14
- 低圧でアンモニア合成 東洋エンジ、新触媒を30年実用化 2025/5/15
- JFEエンジ系、食品廃棄物でバイオガス発電 札幌で稼働 2025/5/15