技術、製品
NSKワーナー 導電バイパスプレートを開発 2025/10/20
日本精工は持分法適用会社であるNSKワーナーが、電動車の駆動部軸受とハウジング間に挿入する導電バイパスプレートを開発したと発表した。電動車の駆動モータは高電圧化が進んでいて、軸受周りに高電圧化による電食発生により、異音が発生したり、最悪の場合走行が不能になる可能性がある。また、高電圧/電流による電磁ノイズが各種車載電子システムの制御誤作動を誘発することがある。開発した製品は、導電性を大幅に向上させた導電ペーパーにより、他社製リングタイプ導電製品に比べ10倍以上の導電性を確認した。また、ダイヤフラムスプリングのスプリング力を活用した構造とすることで、他社製品に比べ1/10以下の厚みの省スペース構造となっている。NSKは、製品を2026年に市場に投入し、2027年に10億円の売上を上げることを目標としている。

豊田合成 カーテンエアバックがホンダプレリュードに採用 2025/10/21
豊田合成は、ホンダが9月に発表したスポーツクーペ新型プレリュードに、カーテンエアバックが採用されたと発表した。カーテンエアバッグは、側面からの衝突時に瞬時に膨らんで窓ガラスを覆うことで頭部への衝撃を軽減するとともに、ロールオーバー規制対応として横転時に乗員が車外に放出されるのを防ぐ役割も担う。

小糸製作所 LiDARがホンダの電動自動芝刈り機に採用 2025/10/22
小糸製作所は、開発したLiDARが、本田技研工業が2026年米国で発売を予定する電動自動芝刈り機に搭載されることが決定したと発表した。採用された短距離検知用LiDARは、芝生や地面の起伏、障害物の距離や形状を計測し、車両周囲360度の状況をリアルタイムで把握する。小糸製作所は、自動車だけでなく、産機・建機・農機車両など、あらゆるモビリティの周辺監視ニーズに対応するセンサを提供していくとしている。

豊田合成 大型製品対応インモールドコート技術を開発 2025/10/24
豊田合成は、関西ペイントと共同で、大型の自動車用プラスチック部品の成形と塗装を型内で行う「インモールドコート技術」を開発したと発表した。従来、インモールドコートは小型製品向けには活用されていたが、大型外装部品の量産への適用は国内初となる。試作した大型製品は、縦270mm、横1,000mmのラゲージパネルで、塗装面の平滑性によりガラス面と一体となった外観を実現することができるとしている。豊田合成は、2026年春にインモールドコート技術を使用した大型外装部品の市場投入を予定するとともに、国内外の生産拠点に展開を予定するとしている。
新事業
豊田自動織機 水素エンジンがAIRMANのコンプレッサーに搭載される2025/10/21
豊田自動織機は、開発した水素エンジンが、AIRMAN社が開発を進める水素専焼エンジンコンプレッサーに搭載され、実証実験をAIRMAN社と共同で実施したと発表した。建設現場などで使われる水素専焼エンジンコンプレッサーでの実証試験を通じて、性能や耐久性の評価などを実施する。豊田自動織機は、既存のガスエンジンをベースとして、産総研と共同で出力向上などの改良を行ってきた。今後、発電機やフォークリフトなどの産業機械への適用も視野に、水素エンジンの2030年頃の市場投入を目指すとしている。
NTN i-WRISTのダイカスト品外観検査用途を提案 2025/10/21
NTNは、開発した手首間接モジュール「i-WRIST」を活用し、ダイカスト品の外観検査の自動化を支援するインライン対応検査ユニットを開発したと発表した。電動化の普及で、インバーターケースやeAxleハウジングなどの大型ダイカスト品需要が拡大していて、コンパクトで高精度・高速な自動外観検査の要望がある。開発・提案するシステムは、i-WRISTと直動アクチュエータを組み合わせたユニットを標準として、画像処理やロボットとの統合などでニーズに合わせた外観検査システムを構築する。大型ダイカスト品の検査では、細かな姿勢変更や精密な位置決めによる高速検査ユニットと、搬送などの大きな動きが得意な多関節ロボットを組み合わせることで検査速度の向上と省スペースな生産ラインの構築を実現するとしている。
豊田自動織機 木材を活用した自動搬送機用「木カート」を制作 2025/10/23
豊田自動織機は、カリモク家具株式会社との協業で、工場や倉庫内での搬送に使用される自動搬送機「キーカート」に木材を活用したコンセプトモデル「木カート」を制作したと発表した。工業製品の自動搬送機に、自然素材である木材を取り入れることで、機能性に、素材の選定や空間との調和といった、持続可能なモノづくりについて考えるきっかけになることを狙いとしている。
NSK ロボット触覚伝達装置向け減速機を開発 2025/10/23
日本精工(NSK)は、サービスロボットの手の部分などに搭載され、触覚を伝達して遠隔操作などを実現する減速機バイラテラルギアを開発したと発表した。手のひら程度のサイズで、人間の触覚を再現するためには、コンパクトかつ幅広いトルクを制御する触覚伝達装置に対応した減速機の開発が課題となっている。横浜国立大学が保有する遊星歯車を活用した双方向(バイラテラル)ギア技術を活用し、φ20以下の小型サイズのバイラテラルギアを開発した。開発では、遊星歯車を支持する軸受に一般的に採用されているすべり軸受では、摩擦が増大し動力伝達効率が悪化するという課題があった。NSKは、遊星歯車を支持する軸受に玉径0.5㎜の小径転がり軸受を採用し、設計を最適化することで課題を解決した。開発したバイラテラルギアを使用した触覚伝達装置は、従来のダイレクトドライブモータを採用した装置に対して、直径比で1/4、重量比で1/10と小型化を可能にしている。NSKは今後、開発先との共同により、バイラテラルギア減速機を採用した触覚伝達装置の実用化を行っていくとしている。

体制
ブリヂストン 使用済みタイヤの熱分解パイロットプラントを新設へ 2025/10/21
ブリヂストンは、10月21日、関工場(岐阜県関市)で使用済タイヤの熱分解パイロット実証プラントの起工式を行ったと発表した。ブリヂストンは、2022年よりケミカルリサイクルの取り組みを開始し、2023年には東京都小平市に実証機を導入して精密熱分解試験を行ってきた。今回のパイロットブラント建設は、NEDO GI基金事業「CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」にENEOSと共同で採用されていて、ENEOSで使用済みタイヤから回収した分解夜をリサイクル油化し、合成ゴムの原料であるブタジエンなどの化学品を製造することで、再生カーボンブラックと共にタイヤ原材料として再利用する資源循環を目指している。施工は、東芝プラントシステムが担当し、使用済みタイヤの年間最大処理能力7,500トンのプラントの竣工を2027年に予定する。

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