技術、製品
住友ベークライト ブレーキ摩擦材向けフェノール樹脂を開発 2025/10/23
住友ベークライトは、自動車ブレーキパッド用バインダー樹脂として耐摩耗性に優れたアミド変性フェノール樹脂スミライトレジンPR-56531を開発したと発表した。開発した樹脂は、ブレーキパッドモデル配合成形体のダイナモ試験で、未変性ストレートフェノール樹脂と比較して、摩耗量が24%低減することを確認した。欧州では2028年に導入が予定されている排ガス規制Euro7で、ブレーキダストの量も規制される。開発した耐摩耗性フェノール樹脂はブレーキダスト発生量低減に寄与できるとしている。

旭化成 EAS Batterries社と電解液技術のライセンス契約を締結 2025/11/4
旭化成は、ドイツの電池メーカーEAS Batteries(EAS)社と、旭化成が開発した超イオン伝導性電解液技術に関するライセンス契約を締結したと発表した。超イオン伝導性電解液技術は、アセトニトリルを含む溶媒を使用することで既存の電解液では実現困難な高いイオン伝導性を有している。旭化成独自の電解液組成調合技術と電極/電解液の界面制御技術により、現行LiBの課題である「低温下での出力向上」と「高温下での耐久性向上」の両立を実現した。技術は、EASが開発したリン酸鉄(LFP)を正極に使用した円筒形のLiBに採用され、従来比約1.6倍の出力を達成し、瞬間的な高負荷放電に対しても安定して出力を維持する。製品は、2026年3月に販売開始の予定となっている。
ヨロズ 軽量化技術「げんにくん」の開発を完了 2025/11/6
ヨロズは、車両の軽量化とコスト削減を両立する技術「げんにくん」の開発を完了したと発表した。「げんにくん」は、大型トランスファープレス機を使用して鋼板を引き延ばすことで薄板化し、テーラードブランク同等の差厚鋼板を生産する。テーラードブランクでは差厚の複数鋼板を溶接する工程が必要があったが、「げんにくん」はブレス工程のみで差厚化するため、生産性が向上するとともに、薄板化により従来比約10%の軽量化を可能とする。BEVへの適用により、走行距離の延長や車両価格の抑制などへの貢献が期待されるとしている。

NSK ロボテックス向けアクチュエータを開発 2025/11/6
日本精工(NSK)は、ヒューマノイドロボットなど向けロータリーアクチュエータおよびリニアアクチュエータを開発したと発表した。ロータリーアクチュエータは、外径φ80mm長さ79mmの大きさに配線や配管を通すことができるφ18mmの中空穴を持つ構造となっていて、約110Nm/kgの最大繰り返しトルクを発生させることができる。リニアアクチュエータは、外径φ55mm、長さ200mmの大きさで、ストローク長80mmを確保し、最大推力3,900Nを発生する。開発品は、小型・軽量化でロボットの関節や構造設計の柔軟性が向上し、ヒューマノイドロボットに求められるしなやかな動きの実現に貢献するとしている。

新事業
豊田合成 HKSと自動車部品端材を活用したバックを共同企画 2025/11/5
豊田合成のオリジナルエシカルブランド「Re-S」は、車両カスタムパーツメーカー・エッチ・ケー・エス(HKS)と共同で、自動車部品の端材を活用したHKSオリジナルトートバックとペンホルダーを企画したと発表した。エアバック生地の端材を使用してバックを、シートベルト端材と本革内装部品の端材を使用してペンホルダーを企画した。商品は、11月10日より全国のHKS製品取り扱い店舗で発売される。
M&A、出資
京セラ 日本航空電子工業と資本業提携契約を締結 2025/10/30
京セラは、日本電気(NEC)が保有する日本航空電子工業(JAE)の株式33.0%を取得し、JAEと資本業務提携契約を締結したと発表した。JAEはコネクタ事業で世界トップ10の規模を誇る。京セラは、成長市場である自動車・データセンター・産業ロボット分野で、JAEとの協業でコネクタ事業の成長を図ることができると判断した。既にJAE欧州市場向けコネクタは、京セラ米国子会社KAVXのチェコ工場へ製造委託を締結していて、今後KAVXチェコ工場への製造委託品種の拡大や、欧州での自動車・産機市場に対するJAEコネクタ製品の販売強化、新製品の共同開発などを行っていくとしている。
体制
日本ガイシ 子会社を吸収合併 2025/10/31
日本ガイシは、2026年4月1日を効力発生日として、子会社NGKエレクトロデバイス(NGKED)の営業部門を会社分割により日本ガイシに吸収合併、また同じく子会社であるNGKセラミックデバイス(NCDK)を存続会社として、NGKEDの製造部門を吸収合併すると発表した。NGKEDは、セラミックパッケージの開発、製造、営業機能を担ってきたが、人材確保が難しくなり、事業運営の効率が悪化していた。セラミックパッケージ事業を含む電子デバイス事業の成長と競争力強化のため、会社分割を含む事業体制の再編を実施するとしている。
東海理化 BAMBOO+高知工場の稼働を開始 2025/11/4
東海理化は、10月31日、高知県香南市にあるBAMBOO+高知工場で、工場稼働を記念した式典を開催したと発表した。東海理化は、これまで関連会社のミロクテクノウッドと協業で、竹を活用した自動車用ステアリングホイールなどの製造を行ってきたが、今後は竹を原料とした樹脂材料の本格的な製造を開始する。
トピー工業 中国孫会社を譲渡 2025/11/5
トピー工業は、中国子会社輪泰科斯(広州)(リンテックス広州)の株式全持分を中国国内企業に譲渡すると発表した。中国市場での日系自動車メーカーのシェア減退により、直近3年間の売上高は2022年12月期の1億4千万元から2024年12月期の1,831万元に大幅減少、また3期連続の赤字決算となっていて対応が迫られていた。トピー工業は、リンテックス広州の譲渡により、中国スチールホイール事業の再編を推進していくとしている。
ダイキョーニシカワ 子会社を吸収合併 2025/11/6
ダイキョーニシカワは、子会社である関東大協を吸収合併すると発表した。関東地区での競争力と市場対応力を強化するためとしている。合併予定日は2026年4月1日を予定する。また、タイの連結子会社であるDaikyoNishikawa (Thailand)(DNTH) とDMS Tech.(DMST) の2社が、DNTHを存続会社とする吸収合併を実施すると発表した。合併予定日は2025年12月としている。
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