技術、製品
ミツバ 強磁性窒化鉄系磁石及び次世代車載電装モータを開発 2025/11/7
ミツバは、三恵技研工業、Future Materialz(FMC)社と共同で、レアアースを含まない強磁性窒化鉄系磁石を開発し、磁石を使用した電装モータが車載用としての性能を有していることを確認したと発表した。強磁性窒化鉄系磁石は、強磁性窒化鉄(Fe16N2)とサマリウム鉄窒素(Sm2Fe17N3)で構成されたナノコンポジット磁石で、サマリウム鉄窒素を強磁性窒化鉄で置き換えることによりレアアース使用量の大幅な低減を実現した。開発では、FMCが高純度の強磁性窒化鉄粉末の大量合成に成功し、三恵技研が樹脂混錬加工技術により磁石製造技術を開発した。ミツバは、強磁性窒化鉄系磁石を車載電装モータとして設計・評価し、モータ特性が、試験片で得られた磁気特性計算値と実測値がほぼ一致することを確認した。開発した磁石は、圧粉・射出成型のどちらの成形方法でも磁石を作成することができ、用途に合わせ磁気特性や形状を自由に設計できるとしている。3社は今後、磁性粉末と磁石の特性向上に向けた共同研究開発を継続するとともに、各種車載電装モータへの搭載についても検討を進めていくとしている。

愛知製鋼 水素SS向けステンレス鋼を商品化 2025/11/11
愛知製鋼は、水素ステーション(SS)向けに高圧水素用ステンレス鋼AUS305-H2の固溶化熱処理材を商品化したと発表した。AUS305はモリブデン不使用の水素適合性を持つ。愛知製鋼は高圧水素用途向けに成分調整を施したAUS305-H2を開発し、FCV「MIRAI」の高圧水素用機器に採用されている。現在、水素SS高圧水素用機器にはAUS316-H2が採用されているが、AUS305-H2はAUS316-H2と比較して、モリブデンを使用しないことに加え、切削加工性を高める成分設計を採用しているため、水素SS機器の低コスト化に貢献するとしている。

武蔵精密 インド電動二輪スタートアップにe-Axle供給 2025/11/13
武蔵精密工業は、二輪車用EV駆動ユニット(e-Axle)が、インドの電動二輪EVスタートアップ・エモビ社の車両に搭載されたと発表した。武蔵精密は、2024年6月にインド現地合弁会社Musashi Delta e-Axle Indiaで、二輪EV向けe-Axleの量産を開始し、エモビ社をはじめとする現地EVスタートアップへの供給体制を整えてきた。武蔵精密は、エモビ社との連携を深化させ、バンガロール以外の地域への展開を推進していくとしている。
体制
マレリ インド・バンガロールにR&D拠点を新設 2025/11/6
マレリは、インド南部バンガロールに新たなR&D拠点を設立すると発表した。新設拠点は、バンガロールのマンヤタ技術工業団地内にあり、同団地内には2022年に開設されたマレリの他のR&Dセンターもある。新拠点では、エレクトロニクス、車載照明、内燃機関、電動推進力などの分野の技術開発を行う。
NOK イーグル工業と経営統合 2025/11/10
NOKは、持分法適用会社であるイーグル工業と共同株式移転方式を使用して、2026年10月1日に両社の親会社NOK Group社を設立し、経営を統合すると発表した。イーグル工業は、1964年にNOKのメカニカルシール製造部門が独立し、日本シールオイル社として設立された。NOKは、イーグル工業の32.03%の株式を保有し、日本国内の自動車向け製品の販売代理店を担う営業取引や原材料購入などの関係を継続してきた。事業環境変化による環境・省エネ向け新製品の開発や海外展開などの課題に対し、経営統合により事業成長や収益力の強化などのシナジーを狙う。両社は、共同株式移転により共同持株会社を設立し、持株会社体制へ移行し、上場は廃止となる。
スタンレー電気 技術研究所 新棟を竣工 2025/11/10
スタンレー電気は、神奈川県横浜市青葉区に技術研究所の新棟を竣工したと発表した。自動車領域では安全性向上のため精密な光制御が求められていて、これまで複数の拠点に分散していた研究開発機能を集約し、フォトニック結晶面発光レーザー(PCSEL)や直共振器型面発光レーザー(VCSEL)など次世代光源の開発や、モビリティの安全につながる要素技術の開発などを行う。稼働は2026年2月の開始を予定する。
豊田自動織機 欧米物流ソリューション事業を再編 2025/11/11
豊田自動織機は、欧米の物流ソリューション事業を再編し、米国および欧州に地域事業運営会社を設置すると発表した。豊田自動織機は、主にオランダ子会社で空港・小包と庫内物流システムを手がけるバンダーランデ社、ドイツ子会社で中小規模庫内物流事業を手がけるのビアストア社、米国子会社のバスティアン社が、グローバルの物流ソリューション事業を行っている。今回、欧州ではビアストア社とバンダーランデ社の庫内物流事業を統合、米国ではバスティアン社とバンダーランデ社の米国庫内物流事業を統合する。バンダーランデ社は空港・小包事業に特化する。庫内物流領域は、欧米で今後も市場成長が見込まれていて、豊田自動織機は事業再編を通じ、ソリューション開発および販売力強化を行う。
リケンNPR タイ、米国の体制変更を発表 2025/11/12
リケンNPRは、タイ子会社の合併および米国子会社の統合に関して発表を行った。タイでは、サイアムエヌピーアール(SNPR)が、リケンセールスアンドトレーディング(タイ)(RSTT)を、2026年2月2日を予定日として吸収合併する。米国では、エヌピーアールオブアメリカ(NOA)が、リケンオブアメリカ(RAMI)を、2026年4月1日を予定日として吸収合併する。それぞれ合併により、東南アジアや米州での営業体制の一体化および業務の効率化を図る。
ニッパツ インドでモータコア事業拡大 中国は解散 2025/11/12
日本発条(ニッパツ)は、インド・マハーラーシュトラ州チャトラパティ・サンバジナガルにあるインド拠点に、約15億円を投資し、工場の改築とプレスラインの導入を行って、モータコア生産能力の増強を行うと発表した。インドでの自動車電動化進展により、モータコア需要も拡大が予測されていて、ニッパツは今回の投資後も工場の増設や追加設備導入で約50億円、最終的には2030年までに約100億円の投資を予定し、2030年度のグローバルでのモーターコア事業の売上高300億円超を目指すとしている。
一方、中国では自動車用シートの製造などを行っている湖北日発汽車零部件(中国湖北省襄陽市)および広州福恩凱汽配(中国広東省広州市)の清算を発表した。中国市場での日系自動車メーカーの販売減少で回復が見込めないと判断した。
ミツバ インドに子会社を設立 2025/11/12
ミツバは、インド・タミルナドゥ州チェンナイに、約9億円を投資して、車載用・汎用電装部品の開発およびマーケティングを行う100%子会社を設立すると発表した。ミツバは、インドを最重要市場のひとつとしていて、インド国内の4拠点で生産販売を行っている。新設子会社は、インドでの顧客からの開発ニーズに対応する。事業開始は2026年4月を予定する。
日本精工 英国ピータリー地区からの生産撤退計画に伴う組合協議開始 2025/11/12
日本精工(NSK)は、欧州生産子会社であるNSKベアリング・ヨーロッパ社およびAKSプレシジョンボール・ヨーロッパ社が英国ダラム州ピータリー地区からの生産撤退を労働組合に提案し協議を開始したと発表した。欧州事業は現地生産品の収益性に課題があり、不採算事業からの撤退、生産拠点の再編など構造改革を進めていて、ピータリー地区からの生産撤退の検討はその一環としている。
決算
ホンダ系列主要企業 決算状況 2025年9月期
統計
中古車販売台数 2025年10月
ニュースウォッチ
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