技術、製品
マレリ 電動車向けエネマネソリューションを発表 2025/12/4
マレリは、１２月３日ドイツで開催されたＣＴＩ欧州２０２５で、ＨＥＶ・ＢＥＶ向けの新エネルギー・マネジメント・ソリューションを発表した。熱、推進、電子機器の３領域を連携するシステムとなっている。熱領域では、車両内の加熱・冷却を制御。推進領域では、電力供給を常時監視しエネルギー分配を最適化する。電子機器領域では、すべてのコンポーネントやシステム間のデータ交換を行い、高速なシステム応答を行う。また、デジタル・ツイン技術により仮想モデル化を行い、開発期間とコストの大幅削減に寄与するとしている。
豊田合成 ゴムリサイクル技術が中日産業技術賞を受賞 2025/12/4
豊田合成は、自動車用ゴム部品のリサイクル技術が、第３９回中日産業技術賞での「経済産業大臣賞」を受賞したと発表した。架橋ゴムのリサイクルは難しく、従来はほとんどが焼却処理されていた。受賞した技術は、ゴム製品廃材を押出機に投入し粉砕した後、スクリュー形状を調整し、ゴムにせん断力加えて加硫した分子結合の解除と脱硫を同時に行う。さらに、水を押出機に注入し脱臭する。押出機内でプロセスを終えることで、ゴム廃材を短時間で高品質なリサイクル材として使用可能にした。豊田合成は、このリサイクル材を新材への配合割合２０％まで引き上げ資源循環に役立てている。今後は、この技術をＥＰＤＭを用いた他の製品に拡大するとともに、天然ゴムなどのリサイクルへの適用も視野に技術開発を進めていくとしている。
ＮＴＮ 軸受トルクの高精度計算手法を開発 2025/12/4
ＮＴＮは、オイル潤滑下での玉軸受の回転トルク計算を高精度で行う方法を開発したと発表した。ＥＶ等の減速機に使用される軸受では、従来よりも高速回転性能が求められるため、高速回転条件下でも高精度にトルク計算を行う方法の開発が求められていた。ＮＴＮは、軸受ボールと軌道面の接触域と非接触域を分離して計算することで、高速回転条件でのトルク計算精度を従来手法に比べて最大５０％向上させた。ＮＴＮは、この手法を用いて、軸受の低トルク化技術の開発に応用するとともに、拡大が見込まれるＥＶ用軸受の提案スピードの向上にもつなげていくとしている。
新事業
アイシン 京都府の水素活用事業に参加 2025/12/1
アイシンは、京都府が舞鶴港国際埠頭で実施する「グリーン水素を活用した純水素燃料電池普及に向けた実証事業」に、エノアと連携して参加すると発表した。実証では、太陽光発電による電力で水電解装置を稼働させ、生成した水素をタンクに貯蔵する。貯蔵された水素を原料としてＳＯＦＣで発電し、港湾施設の照明等への電力供給を実施する。アイシンは、ペロブスカイト太陽電池と１０ｋＷ級のＳＯＦＣを提供し、地域の防災力強化と再生可能エネルギーの活用促進に貢献する。
アート金属 コーヒー栽培で環境大臣賞を受賞 2025/12/5
アイシンの子会社であるアート金属（長野県上田市）は、地中熱ヒートポンプなどを活用したコーヒー栽培への取り組みが評価され、環境省が主催する「気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞したと発表した。アート金属は、自動車の電動化トレンドによる主力製品であるピストン関連部品の需要減少課題に対し、本社の有休地を活用して、寒冷地でも栽培可能なコーヒー苗のハウス栽培に挑戦した。冬場のハウス内で暖房が必要となる中、地中熱ヒートポンプやハウス内環境の自動制御システムを導入し、ボイラーによる暖房と比較してＣＯ２排出量の大幅削減や省人化を実現。２０２４年度には約８ｋｇのコーヒーの実を収穫した。今後は、２０ｋｇ以上の安定収穫を目指すとともに、ブランド化や地域農業への技術フィードバックへの貢献も検討していくとしている。
Ｍ＆Ａ、出資
ＮＩＴＴＡＮ 横浜キャピタルと事業提携 2025/11/28
ＮＩＴＴＡＮは、横浜銀行グループの横浜キャピタルと事業提携契約を締結したと発表した。資本調達だけでなく、事業ポートフォリオの最適化やＭ＆Ａ推進など経営戦略の実行を共創する。事業提携に関し、ＮＩＴＴＡＮは１０億円分の新株予約権（ワラント）と１６億円分の転換社債（ＣＢ）を発行し、インドへの戦略投資やＭ＆Ａ資金などに調達資金を活用する。
東山フイルム パナより機能フィルム事業を譲受 2025/12/1
東山フイルムは、パナソニック インダストリーより機能フィルム事業を譲受する契約を２０２５年１１月２８日に締結したと発表した。東山フイルムは、工業用フィルムの製造・加工を手掛けていて、車載向け機能フィルムではセンターインフォメーションディスプレイ(ＣＩＤ)、メータークラスターパネル(ＭＣＰ)、ヘッドアップディスプレイ（ＨＵＤ）用フィルムなどの製品群を持つ。パナソニック インダストリー社も車載機器用機能フィルムとして、ＨＵＤカバー用やインサート成型用反射防止フィルム、虹ムラ・ブラックアウト防止フィルムなどの製品を保有する。東山フイルムは、パナソニック インダストリーの機能性フィルム製品群を譲り受けることで、製品ラインナップを大幅な強化し、車載向けフィルムの複合的な機能提案、新たな業界や顧客の販路拡大、高機能製品の開発を推進していくとしている。
体制
中央発條 藤岡工場に新工場設置 2025/11/28
中央発條は、２０２６年春より、約４０億円を投資して、藤岡工場（愛知県豊田市）敷地内に冷間コイルの新ラインを敷設する新工場（第１２工場）の建設に着手すると発表した。設備の老朽更新や大規模修繕を可能とする余力づくりをコンセプトとした工場として、将来のためのモデルラインとして新設する。２０２７年６月の竣工、２０２８年６月の稼働開始を予定する。
ジェイテクト ベトナムに営業拠点を開設 2025/12/1
ジェイテクトは、産機、アフターの販売網強化のためベトナムのハノイとホーチミンに販売会社を新設すると発表した。これまでベトナム市場では現地代理店を中心とした営業活動を行ってきたが、ベトナムでのベアリング需要が伸長しているのに合わせ、南北に広がる需要地に迅速・的確な対応ができる体制を構築する。２０２６年４月の稼働開始を予定する。
ジェイテクト 花園工場にＣＮプラントを新設 2025/12/1
ジェイテクトは、愛知県岡崎市にある花園工場に、再生可能エネルギーを活用して水素を生成・供給する設備「ＣＮプラント」を新設したと発表した。太陽光発電による電力を用い、年間約１１万Ｎｍ３の水素を製造する水電解装置を導入した。生成した水素は、タンクに充填、工場内に水素供給用の配管を整備し、水素を「つくる」「ためる」「はこぶ」「つかう」の一連のプロセスを工場内で完結した。また、２０２６年夏頃の運用を目指して「水素バーナ式アルミ溶解保持炉」の設置準備を行っている。
豊田合成 台湾子会社を解散 2025/12/2
豊田合成は、台湾の子会社豊晶光電股份を解散すると発表した。豊晶光電はＬＥＤ製品の設計開発・販売を行ってきたが、取引量の縮小に伴い、経営の効率化を図る。２０２６年末までの清算完了を予定する。
ニュースウォッチ
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