技術、製品
豊田合成 廃車由来プラの水平リサイクル技術を実用化 2025/5/20
豊田合成は、廃車からプラスチックを再生する新技術を開発したと発表した。従来、自動車の廃プラ再生は不純物の混入などにより新材と同等の性能・品質を得ることが難しく、サーマルリサイクルまたは性能の低い用途へのダウンリサイクルが一般的であった。豊田合成は、廃プラのリサイクル業を手掛ける“いその”と協業し、廃車から回収したPP50%含有材料が新材と同等の性能を持つ再生プラを開発した。開発した再生PPは、トヨタ自動車のカムリのグラブボックスやフロントグリルの一部に採用された。豊田合成は、今後も車の意匠に関わる部位など適用製品の拡大を目指し、再生プラの改良を進めるとしている。

NTN e-Axle用樹脂モールド絶縁軸受の量産を開始 2025/5/21
NTNは、EV用e-Axleに使用される軸受として、電食を抑制する「樹脂モールド絶縁軸受」の量産を開始したと発表した。e-Axleでは、駆動のための電流が軸受内を通過すると、軸受軌道面が損傷する電食が発生することがあり、対策が求められていた。NTNは、軸受の外輪外径面および幅面に樹脂絶縁層を射出成型することで電食の発生を抑制し、耐電圧1,000V以上の絶縁性を確保した。樹脂モールド絶縁軸受は、海外自動車OEMが製造するEV向けe-Axleに採用され、量産を開始した。NTNは、樹脂モールド絶縁軸受のほか導電性ゴムシールを採用した導電軸受など耐電食軸受の商品ラインナップの拡充を進めるとしている。

新事業
NTN 微細塗布装置がライフサイエンス研究活動に採用 2025/5/19
NTNは、開発した微細塗布装置がバイオプリンティング方式として、抗原検査などライフサイエンス分野での研究活動に採用されたと発表した。微細塗布装置は、針の先端に付着させた数pL(ピコリットル)の液剤を1回あたり0.1秒の高速で、かつ±15μm以下の高精度で位置決めができる塗布装置だ。今回、浜松医科大学ナノスーツ開発研究分野で取り組む電子顕微鏡を用いた高感度抗原検査キットの研究開発に微細塗布装置が採用された。また、創薬分野では、大阪大学大学院生命機能研究科と共同で、微細塗布装置を用いて細胞培養プレートを作製する技術を開発した。NTNは、微細塗布装置を使用した模擬臓器の開発も推進していて、ライフサイエンスや創薬分野での新商品・サービスの創出に取り組んでいくとしている。

武蔵精密 次世代蓄電デバイスが三菱重工の新交通システムに採用 2025/5/22
武蔵精密は、子会社である武蔵エナジーソリューションズが開発を進めている蓄電デバイスが、三菱重工業の新交通システム「Prismo」に搭載されることになったと発表した。Prismoは、駅での急速充電と走行中の回生蓄電を融合させることでエネルギー効率を高めた架線レス式の全自動無人運転車両システム(AGT:Automated Guideway Transit)の新ブランドだ。三菱重工はPrismo用に新たに開発したエネルギーマネジメントシステムに、武蔵エナジーソリューションズ及び三菱電機が共同開発している次世代蓄電モジュール「MHPB(Mitsubishi High Power Battery)」を適用した。これにより、従来のAGTシステムと比較して約10%の省エネ運行および約10%のCO2排出量削減を実現したとしている。
M&A、出資
TPR 車窓XR技術開発スタートアップDUAL MOVEに追加出資 2025/5/20
TPRは、車載用XR(クロスリアリティ)技術の開発に取り組むDUAL MOVEに追加出資を行うと発表した。DUAL MOVEは、車窓越しに現実の風景とデジタル映像を重ねる「車窓XR」技術を開発していて、透過型ディスプレイと裸眼で立体的に映像を映し出す3D表示技術を融合した透過型裸眼3Dディスプレイ「tXRディスプレイ」の開発に成功している。DUAL MOVEは、tXRディスプレイの更なる技術開発に充てるための資金調達を実施し、TPRは2023年3月の出資に続き追加出資を行う。TPRは、DUAL MOVEとの協業を通じて次世代技術で新事業展開を加速させる。
NTN チュニジア・ショックアブソーバー製造社に資本参加 2025/5/21
NTNはグループ会社であるNTN EUROPEを通じて、チュニジアで自動車用ショックアブソーバーを製造するLa Tunisie Mecanique(LTM)社に2025年5月19日付で資本参加したと発表した。NTNは、中期経営計画でアフターマーケット事業の拡大に取り組んでいて、NTNグループ商品と関連が深いショックアブソーバーのラインアップを追加商品とした。NTNは、LTM社に資本参加することで、販売・設計・生産・品質管理に関わり、自動車アフターマーケットで販売拡大に取り組んでいくとしている。
体制
ニデック インド・ニムラナ工場第3棟を建設 2025/5/20
ニデックは、子会社であるニデックインドが、インド・ラジャスタン州ニムラナにある既存工場敷地内に、新棟となる第3棟の起工式を実施したと発表した。現在、既存第1棟では車載用モータ、家電・空調用モータを、第2棟では電動バイク用駆動モータを生産している。新設する第3棟では、電動ステアリング用モータパワーパック、パークロックアクチュエータ、電動ウォーターポンプ、吸気制御バルブなど車載用モータの生産を集約する。投資額は100億円を見込み、2026年9月の竣工を予定する。
ニュースウォッチ
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