技術、製品
アルプスアルパイン 小型化ブレーキ用スイッチの量産を開始 2025/8/28
アルプスアルパインは、自動車のサイドブレーキ用2回路2接点スイッチ「SPVQRシリーズ」の新製品を8月より量産開始したと発表した。パーキングブレーキは電動化(EPB)への移行が進み、内装パネルのレイアウト見直しでのボタンの多様化、およびEVの普及により静音化への要求がある。新製品は従来品と比較して、横幅を50%縮小、また5dBほどの静音化を図った。アルプスアルパインは、製品の2027年度中に月産100万個以上の出荷を目標としている。

トヨタ紡織 廃プラの内装材部品活用を検証へ 2025/9/1
トヨタ紡織は、環境省の「プラスチック等資源循環システム構築実証事業」に、自社が取り組んでいる「容器包装廃プラスチックの自動車内装部品へのリサイクル実証」が採択されたと発表した。欧州で2023年7月にELV(End of Life Vehicle)規則案として自動車の再生プラスチック最低含有率の義務化が提案されたことを背景に、リサイクル材の質と量の確保が課題となっている。トヨタ紡織は、容器包装廃プラスチックに着目し、排出元であるごみの学校(京都府亀岡市)、および再商品化業者である富山環境整備、樹脂加工業者である永興物産と連携し、トヨタ紡織がリサイクル材の加工技術、構造設計開発の上、自動車部品の試作、評価を行うことで、リサイクル材の量と質の確保に向けた技術検証を行う。実証では、廃プラを自動車内装部品に活用した場合のCO2排出量削減効果の検証も実施し、資源循環とCO2排出量削減の両立を目指すとしている。
住友ゴム 東北大学とタイヤゴムの伸長結晶分布の可視化に成功 2025/9/3
住友ゴム工業は、東北大学多元物質科学研究所の陣内浩司教授らと共同で、ポリイソプレンゴム内部の伸長結晶分布をナノメートルスケールで可視化することに成功したと発表した。これまで伸長結晶の空間分布については直接観察する技術がなく、伸長結晶分布の制御と補強性向上の関係が不明確であった。研究では、試料を伸長させながらTEM撮影し、更にナノメートルサイズの走査電子ビームによる電子回折図形を取得することで、伸長結晶分布の可視化を実現した。住友ゴムは、研究成果をタイヤゴムの耐摩耗性能や耐破壊性能の向上につなげていくとしている。

新事業
アイシン ネットトヨタ郡山とペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始 2025/9/5
アイシンは、ネッツトヨタ郡山と共同で、ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始したと発表した。アイシンは薄ガラス表面によるペロブスカイト太陽電池を開発していて、これまでも社内外での実証実験を推進している。今回の実証では9月7日にオープンするネッツトヨタ郡山安積店の店舗壁面に、青色に加飾した太陽電池を使用し、寒暖差の大きい環境下でのパネル色の変化や、加飾を施していないパネルとの発電性能や耐久性の比較評価を行うとしている。
M&A、出資
デンソー スパークプラグを日本特殊陶業に譲渡 2025/9/1
デンソーは、日本特殊陶業にセラミック製品のうちスパークプラグおよび排気センサー事業を譲渡すると発表した。2023年7月に日本特殊陶業と事業譲渡検討開始の基本合意書を締結している。両社は、スパークプラグおよび排気センサー事業に関する協議を重ねた結果、事業譲渡の合意に至った。事業譲渡は、各国・地域の競争法当局の承認取得が必要となるが、譲渡成立の場合、日本特殊陶業の自動車用プラグの世界シェアは6割に達するとみられる。譲渡額は1,806億円と見積もられていて、デンソーは譲渡益を電動化領域や水素等のクリーンエネルギー領域へのリソースに活用していくとしている。
体制
日本ピストンリング 子会社事業承継 2025/8/27
日本ピストンリングは、子会社である日ピス福島製造所の事業を承継すると発表した。また、吸収分割によりノルメカエイシアに日本ピストンリングのRV関係用品販売事業を承継させる。
三五 本社を移転 2025/8/28
三五は、9月1日より本社を愛知県名古屋市熱田区から愛知県みよし市にある福田工場敷地に移転したと発表した。旧本社は名称を「ECO35」として三五の歴史や製品を紹介する施設、および一部部署の事務所として稼働する。
住友商事、伊藤忠丸紅鉄鋼 中国地区コイルセンター事業を統合 2025/8/29
住友商事グローバルメタルズと伊藤忠丸紅鉄鋼は、両社の共同事業である「マツダスチール」及び「紅忠サミットコイルセンター」の事業について、2025年10月1日を効力発生日として統合すると発表した。統合後は、マツダスチールが存続会社として事業を継続し、マツダおよび関連部品メーカーへの鋼材の加工販売を行う。
エイチワン 中国子会社を解散 2025/9/2
エイチワンは、中国の連結子会社(孫会社)である肇慶愛機汽車配件(Z-Hapii)(広東省肇慶市)を解散および清算すると発表した。Z-Hapiiは、現地EVメーカー向けの自動車部品を製造販売しているが、中国での自動車産業の変化が激しく現地での競争力強化のため、H-Hapiiの機能を広東省にある広州愛機汽車配件に移管し事業収益力の向上を図る。2026年2月の清算完了を予定する。
Astemo 米国子会社の本社をミシガン州に移転 2025/9/4
Astemoは、子会社である米国Astemo Americasの本社をケンタッキー州ハロッズパーグからミシガン州ウィクソムに移転し、開発設備等を備えた複合施設開設のため9,500万ドルを投資すると発表した。米国でのSDV技術開発を強化する。施設は2027年秋の完成を予定する。
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