水素、アンモニア、ＬＯＨＣ
サントリーＨＤ サントリーグリーン水素ビジョンを発表 2025/6/11
サントリーＨＤは、グループでの水素利活用中長期計画「サントリーグリーン水素ビジョン」を発表した。サントリーグループでは、山梨県および技術開発参画企業９社と共に、１６ＭＷクラスの水素製造設備「やまなしモデルＰ２Ｇシステム」を建設し、天然水南アルプス白州工場・サントリー白州蒸溜所への水素導入に取り組んでいる。
サントリーグリーン水素ビジョンでは、「水と生きるＳＵＮＴＯＲＹ」をコーポレートメッセージとしている。グリーン水素の価値創造と訴求により水素社会実現に向け貢献するとして、２０２５年には水素ボイラーの稼働や水素によるウイスキーの直火蒸溜などの自社利活用を推進。２０２７年以降は自社内での利活用だけでなく、県内産業への供給・販売に取り組み、地産地消モデルを構築するとしている。
中部電力 米Ｌｏｔｕｓ Ｉｎｆｒａｓｔｒｕｃｔｕｒｅ Ｐａｒｔｎｅｒｓと戦略的関係を構築へ 2025/6/11
中部電力は、米国のエネルギーインフラ投資会社Ｌｏｔｕｓ Ｉｎｆｒａｓｔｒｕｃｔｕｒｅ Ｐａｒｔｎｅｒｓ（ロータス）社と、戦略的関係の構築に関して合意したと発表した。ロータス社は、米国での電力や水素・アンモニアなどのエネルギー分野のプロジェクトに投資を行っている。中部電力は、グローバルで再生可能エネルギーや脱炭素に関する領域などを通じて脱炭素社会の実現に取り組んでいて、ロータス社との戦略的な関係を構築し、成長が見込まれる北米のエネルギーインフラ市場に貢献するとしている。
合成燃料
西部ガス 地域原料活用メタネーション実証設備を運転開始 2025/6/5
西部ガスは、ＩＨＩ、ＪＣＣＬ、九州大学、日本ガス協会、ひびきエル・エヌ・ジー、北海道ガス、広島ガスと共同で検討を進めている「地域原料活用によるコスト低減を目指したメタネーション地産地消モデルの実証」プロジェクトでの実証設備の運転を開始したと発表した。福岡県北九州市のひびきＬＮＧ基地に設置された実証設備は、水電解装置やＣＯ２分離回収設備、メタネーション装置などから構成され、ｅ-メタンを１時間当たり１２．５ｍ３製造できる。実証では再生可能エネルギーの余剰電力を活用し製造した水素や近隣工場からの副生水素と、回収した未利用ＣＯ２からメタネーションによりｅ-メタン製造コストの低減と環境価値提供を目指す。
レゾナック ＣＣＵメタノール経由グリシン製造研究開発がNEDOプロジェクトに採択 2025/6/13
レゾナックは、日本製鉄、日鉄エンジニアリング、富山大学と共同でＮＥＤＯが公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発／ＣＯ２排出削減・有効利用実用化技術開発」に提案した「ＣＯ２由来メタノール経由青酸、グリシン製造の研究開発」が採択されたと発表した。
グリシンは、農薬や食品類、電子材料に使用されている化学品だ。従来、化石燃料由来のメタノールから中間体を経て製造されている。プロジェクトでは、製鉄所や火力発電所から排出されるＣＯ２からグリシンを一貫製造する技術を確立する。富山大学は、ＣＯ２を原料としたパラキシレン製造技術開発で得られた成果を活用し、低温下でメタノールを合成する触媒プロセスを開発。レゾナックはプロピレンからアンモ酸化反応によりアクリロニトリルを製造するプラントを保有していて、ＣＯ２由来メタノールによる新しいアンモ酸化反応触媒プロセスの構築、最適化開発を行う。
体制
日本ゼオン バイオ技術開発研究棟を新設 2025/6/9
日本ゼオンは、グループ会社であるゼオンケミカルズ米沢（山形県米沢市）の敷地内に、植物原料由来の原料からブタジエンやイソプレンを生産するバイオ技術を研究開発する研究棟を新設したと発表した。ＮＥＤＯ ＧＩ基金事業で横浜ゴムと共同で実施している「炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発」プロジェクトの一環として、研究施設を活用する。日本ゼオンは、施設での研究開発を推進し、２０３４年に植物原料からブタジエンとイソプレンを直接生産するバイオ技術の事業化を目指すとしている。
住友商事 デンマーク社とバイオガス・ｅ-ＳＡＦ事業でＪＶ設立 2025/6/12
住友商事は、再生可能エネルギーの事業開発を行うデンマークのＳｋｏｖｇａａｒｄ Ｅｎｅｒｇｙ（ＳＥ）社と、バイオガス製造事業およびe-ＳＡＦなどを製造するＰｏｗｅｒ ｔｏ Ｘ事業を行う合弁会社Ｎｏｒｔｈ Ｓｋｙ社を設立したと発表した。合弁会社はデンマークの約２万戸の家庭の年間消費に相当するバイオガス４，０００万Ｎｍ３の製造を目指す。また、ＳＥ社のバイオガス製造事業拠点をデンマーク全土に拡大する。更にｅ-ＳＡＦなどのエネルギーの開発も行う予定だ。住友商事は、バイオガス製造事業への参画を通して、成長事業のひとつであるエネルギーソリューション事業の成長を加速させるとしている。
東ソー クロロプレンゴムの生産能力を増強 2025/6/12
東ソーは、山口県周南市にある南陽事業所でのクロロプレンゴム（ＣＲ）「スカイプレン」の生産能力を増強すると発表した。ＣＲは、優れ耐油性や耐候性、難燃特性を持ち、自動車のホースやベルト、工業部品、接着剤、医療用手袋などの用途に使用されている。投資額約７５０億円をかけ、年間２．２万トンの生産能力増強工事を２０２７年春から行い、２０３０年の商業運転を予定する。
プラスチック
住友化学 バイオマス原料を使用したスーパーエンプラの量産技術を確立 2025/6/12
住友化学は、バイオマス原料由来のモノマーを使用した液晶ポリマー（ＬＣＰ）の量産技術を確立したと発表した。ＬＣＰは、優れた耐熱性と難燃特性を持ち、スマートフォンなどの電子機器や自動車、ＯＡ機器などの分野で使用されている。住友化学は、バイオマス原料由来のＬＣＰを、それ以外のＬＣＰと分離して管理する「セグリゲーション」方式を採用し、製品のバイオマス含有量を明示する。今後、バイオＬＣＰの量産体制を構築し、２０２６年度中の顧客認定、２０２７年度からの供給開始を目指す。
Ｍ＆Ａ、出資
三菱重工 ゼオライト触媒によるバイオエタノール転換技術スタートアップに出資 2025/6/11
三菱重工業は、ゼオライト触媒によりバイオエタノールをプロピレンやプロパンなどに転換する技術開発を行っている東京科学大学発のスタートアップｉＰＥＡＣＥ２２３に出資したと発表した。ＩＰＥＡＣＥ２２３は、神奈川県川崎市にあるテクノハブ イノベーション川崎ＴＨＩＮＫ内にベンチプラントの建設を進めていて、２０２５年中にベンチプラントでの技術実証を開始する予定だ。三菱重工は、プロセスプラントの設計・建設の実績があり、今回の出資に当たっても革新的な技術の育成と普及を支援しているとしている。ｉＰＥＡＣＥ２２３の今回の資金調達には、三菱重工のほか、ジクシスとＵＭファンドが出資している。
統計
ニュースウォッチ
- 伊藤忠エネクス－大成建設、バイオ燃料ＲＤ４０導入 2025/5/28
- 東京都、国産SAF普及へ全国初の価格補助 羽田空港での供給に 2025/6/9
- 大阪ガス、生成AIで「グリーンウオッシュ」防ぐ システム外販 2025/6/9
- 香川県の泉鋼業、ゼロエミ船の燃料タンク製造 40億投じて工場改修 2025/6/10
- 太陽石油、系列店でバイオ燃料混合軽油を発売 2025/6/10
- 豪グリーン水素は高すぎ、他燃料の４倍超 2025/6/11
- 中国、グリーン水素関連計画 規制強化で中止目立つ 2025/6/11
- HARITA、廃車部品から固形燃料 脱炭素と収益化を両立 2025/6/12
- カネカ・ミズノ、生分解性人工芝を共同開発 2025/6/12
- 商船三井、ＳＯＦＣ搭載ＬＮＧ船でＡｉＰ取得 2025/6/12
- ENEOS、脱炭素経営を軌道修正 市場はLNGの減損リスクを懸念 2025/6/13
- 千葉大、光の強さでＣＯ２から生成物を作り分け 2025/6/13
- 荏原、韓国でアンモニア燃焼プラント向けポンプを受注 2025/6/13