自動車部品関連動向 2025/6/30
自動車部品関連動向 2025/6/30

自動車部品関連動向 2025/6/30

技術、製品

NSK AL活用品質トラブル参照アプリを開発   2025/6/23

 日本精工(NSK)は、生成AIを活用した品質トラブル参照アプリケーションを開発し、2025年6月より運用を開始したと発表した。従来品質トラブルデータは、専用データベースやレポート形式で管理されていて定型形式がない上、専門性が高く活用に課題があった。NSKは、約4,000件の品質トラブルを参照したアプリを開発、リスク要因を調べる際にはグラフによる可視化と生成AIによる要約文が提示され、従業員の専門レベルに依存することがないようにしている。国内5,000人以上の従業員に提供し、品質マネジメントの強化推進と、顧客への品質実現に寄与できるように活用していくとしている。

リケンNPR 水素エンジントラックの走行テストを開始  2025/6/23

 リケンNPRは、市販トラックのエンジンをベースに独自に設計・改造した水素エンジントラックの走行テストを開始したと発表した。リケンNPRは、これまで環境省の「水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業」受託事業者の外部参画企業として、水素エンジン実機評価や水素エンジン用ピストンリングの供給を行ってきた。今後の水素エンジンの普及には水素エンジン搭載車の実地走行が重要として、水素エンジン改良トラックの走行テストを開始した。走行車は公道走行の許認可を取得していて、今後、公道での走行確認を行っていくとしている。

日本製鋼所 4,000トン型締力電動射出成型機を上市   2025/6/23

 日本製鋼所(JSW)は、型締力4,000トンの2プラテン式電動射出成型機を上市すると発表した。現在、4,000トンクラスの超大型射出成型機は油圧方式が主流だが、ランニングコストや動作制度、生産性について課題がある。JSWは電動方式を採用し、油圧方式に比べて生産性を10%向上させるとともに、品質バラツキを改善した。また、油圧方式に比べ消費電力を15~20%、冷却水使用量50%、作動油使用量を70%削減し、油圧方式の課題を解決した。ラインアップした電動射出成型機J400F-2200Hは、最大22,000cm3(PP換算で約18.6kg)の射出量を確保でき、バンパーやバックドアなどの外装部品のほか、EV用バッテリーケースのプラスチック化を視野に入れている。JSWは、初年度1台、5年後には年5台の販売を目標にするとしている。

矢崎総業 カーボンナノチューブ活用電極材料を開発   2025/6/26

 矢崎総業の米国子会社であるYTC Americaは、カーボンナノチューブ(CNT)をベースとした樹脂製バインダを含まない蓄電デバイス向け電極材料(バインダフリー電極材料)を開発したと発表した。従来のリチウムイオン電池(LiB)やスーパーキャパシタなど蓄電デバイスには、樹脂製のバインダを含む電極を組み合わせて構成されているが、樹脂製バインダは、内部抵抗の増加や、充放電速度の低下、電力性能の制限、樹脂の劣化による蓄電デバイスの寿命低減の原因となっていた。矢崎総業は、CNTの分散に必要な界面活性剤や分散剤を使用せず、有機溶媒や水性溶媒による分散が可能で、製造工程の簡略化を可能にしている。LiBへの適用試験では、従来樹脂製バインダ入り電極に対してバインダフリー電極を使用した場合、内部抵抗は半分に減少し、寿命は2倍に増加した。また、スーパーキャパシタへの適用でもLiBと同等の性能向上を確認している。矢崎総業は、技術成果を実用レベルで実証するため、外部パートナーとの連携を模索し、2027年以降の実用化を目指すとしている。

M&A、出資

イクヨ YOUON JAPANを子会社化  2025/6/26

 イクヨは、水素燃料電池など水素関連製品開発事業を行うYOUON JAPAN(東京都新宿区)に出資し、発行済み株式数の59.2%を保有し子会社化すると発表した。YOUON JAPANは、中国で水素燃料電池のほか水素発生機、水素自転車、水素製造貯蔵機器などの事業を展開しているYOUON Technologyの日本法人。イクヨとはモビリティ関連の研究開発で協力を行ってきた。イクヨは、YOUON JAPANへの資本提携を通じて、水素関連分野のモビリティ開発を加速させるとしている。

パイオニア 台湾Innoluxグループが株式を取得       2025/6/26

 パイオニアは、台湾のディスプレイメーカーInnolux社の子会社でコックピットを担当するCarUX Holdingsが、プライベートイクイティEQTが保有するパイオニアの全株式をCarUXが取得することになったと発表した。CarUXは、自動車のディスプレイを含むコックピットソリューションを展開していて、自動車メーカーへの納入実績がある。パイオニアは、今後はInnoluxグループのチームと協業してさらなる成長を実現していくとしている。

体制

積水化学 インド・プネに車両内外装向け射出成型工場を新設   2025/6/25

 積水化学工業は、インド・マハーラーシュトラ州プネに、約5億円を投じて車両射出成型品の生産・販売を行うSEKISUI MOLDING(セキスイDLJMモールディンク)のインドで6番目となる工場を新設すると発表した。積水化学は、インドには2011年8月に現地企業Dipty Lal Judge Malとの合弁でセキスイDLJMモールディングを設立し事業を開始した。プネへの新規工場は2026年1月の稼働を予定していて、インドでの生産能力を約15%増強させる。事業主体は、積水化学の100%子会社である積水テクノ成型となる。

統計

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