水素、アンモニア、LOHC
東京ガス 空港臨海部での高圧水素パイプライン構築に向け検討を開始 2025/7/15
東京ガスは、東京都が公募した「令和7年度 空港臨海部におけるパイプライン等による水素供給体制構築に向けた検討」での、対象事業者に採択されたと発表した。東京都が示した空港臨海部でのパイプライン敷設等による大規模な水素供給・水素利用に向けた3ステージのうち、水素需要の点同士をパイプライン等によりつなぎ水素供給体制を構築するというステージ3に関するFS、および予備設計等を東京都と共同して行う。

CO2回収、DAC、CCUS
川崎重工 CO2分離回収実証設備を神戸工場内に整備 2025/7/14
川崎重工は、兵庫県神戸市にある神戸工場で、低濃度CO2分離回収技術の実証設備の建設に着手したと発表した。川崎重工は、多孔質にアミンを担持した固体吸収剤を用いたCO2分離回収技術Kawasaki CO2 Capture(KCC)を開発している。実証設備では、KCCを活用し、大気からのCO2回収を行うDACと、神戸工場に設置しているガスエンジン発電所からの排ガスからCO2を回収するPCC(Post-Combustion Capture)の技術実証を行う。設備は、DACは年間1モジュールあたり100~200トンのCO2を回収、PCCは年間360トンのCO2を回収する仕様となっていて、CO2脱離温度は60℃で、脱離蒸気生成にガスエンジンの排ガス等の未利用熱も利用するとしている。2025年10月の竣工を予定している。
運搬・貯蔵、燃焼、その他
伊藤忠商事 アンモニアバンカリング船を発注 2025/7/14
伊藤忠商事は子会社であるシンガポールの特定目的会社Clean Ammonia Bunkering Shipping(CABS)を通じて、佐々木造船、泉鋼業と、5,000m3型アンモニアバンカリング船建造に関する建造契約、およびアンモニアバンカリング船に搭載するアンモニアタンクプラント製造に関する請負契約を締結したと発表した。経済産業省のグローバルサウス未来志向型共創等事業に採択された事業に基づき、世界初となる新造アンモニアバンカリング船を建造する。建造するアンモニアバンカリング船は、2027年9月に完工予定で、シンガポールでのアンモニアバンカリング実証事業に活用される。伊藤忠商事は、シンガポールでのアンモニアバンカリング事業を手掛かりに、将来的には、スペインやエジプト、日本などでのアンモニア燃料船の開発と、舶用アンモニア燃料のサプライチェーン構築からなる統合型プロジェクトを推進していくとしている。
M&A、出資
三菱ケミカルGr 超臨界水活用油化技術スタートアップに出資 2025/7/18
三菱ケミカルグループはCVC Diamond Edge Venturesを通じて、高温高圧の超臨界水を活用して使用済みプラスチックやバイオマスを油化する技術「Cat-HTR」を有する豪州Licella Holdings社に出資したと発表した。三菱ケミカルはENEOSと共同でプラスチック油化ケミカルリサイクル事業に取り組んでいて、三菱ケミカル茨城事業所に新設したケミカルリサイクル設備には、英国Mura Technology社の「Hydro-PRT」技術が採用されているが、この技術はLicella社のCat-HTRを基に構築されている。また、三菱ケミカルが2025年3月に発表した「国内森林資源を活用したSAF等の製造事業の商業化へ向けた検討」でもLicella社の技術を用い、木質残渣からバイオナフサ、SAF、バイオディーゼルなどの製品を製造することを想定している。三菱ケミカルグループは、今回の出資によりLicella社との連携を深め、使用済みプラスチックやバイオマスの油化技術の社会実装とリサイクル事業の拡大を目指すとしている。
統計
ニュースウォッチ
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