自動車部品関連動向 2025/8/4
自動車部品関連動向 2025/8/4

自動車部品関連動向 2025/8/4

政策

経産省 米国関税措置合意概要 2025/29

 経済産業省は、7月29日の産業構造審議会で、7月22日に日米間で合意した米国の関税措置に関する概要報告を行った。

 米国の関税措置の見直しでは、相互関税を8月1日以降25%追加関税課すことにしていたが、15%で合意した。この合意には、WHO原則に基づいた輸出国に適用される税率(MFN税率)を含み、MFN関税が15%以上の品目に関して追加関税は課せられず、15%未満の品目に関して15%の課税が課せられる。

 自動車・自動車部品についても、同様の15%の追加関税となり追加関税は約半減された。従来、自動車のMFN税率は2.5%であった。自動車分野については、経済安全保障上重要9分野のひとつとして、日米がともに利益を得られる強靭なサプライチェーンを米国に構築していくために連携し、日本は政府系金融機関が最大5,500億ドル規模の出資・融資・融資保証を提供するとしている。

 また、自動車分野での非関税措置の見直しでは、日本の交通環境でも安全に問題のない米国メーカー製乗用車を追加試験なく輸入可能とすること、および日本はクリーンエネルギー自動車(CEV)導入促進補助金の運用について適切な見直しを行うこととした。

 自動車・自動車部品は、日本から米国へ年間513億ドル輸入している。米国が相互関税を打ち出した4月以降、米国向けの自動車の輸出が減少し、2025年6月の輸出額は前年同月比7.9%の減少となっている。

 自動車メーカーの利益が圧迫されるなど影響が顕在化してきていて、自動車メーカーはコスト削減努力と共に、関税影響の緩和検討も図っている。米国向けに輸出をしている自動車部品メーカーの中には、現時点で関税分を自社で負担しているところがあり、顧客と価格交渉が始まっている。

 政府は、令和7年度中の機動的な対応として、自動車産業を中心とした影響緩和と耐性強化策を打ち出すとしていて、中小企業向け資金繰り支援や事業構造強化・経営強靭化支援、国内自動車市場の活性化、関税の影響を大きく受ける地域経済への活性化策などを行っていくとしている。

技術、製品

デンソー、アイシン いすゞのBEV「D-MAX」にeAxleが採用   2025/8/1

 デンソーとアイシンは、Blue Nexusと共同で開発したeAxleが、いすゞのBEVピックアップD-MAXに搭載されたと発表した。開発したeAxleは、フロントとリアに搭載されフルタイム4WDシステムとすることで、ピックアップトラックに求められる耐久性や積載・けん引性能、悪路走破性と、BEV特有な加速感と低騒音・低振動の両立に貢献しているとしている。

東海理化 コンパクト塗装ブースを開発 2025/7/29

 東海理化は、コンパクトでCO2排出量の大幅削減を実現した「コンパクト塗装ブース」を開発したと発表した。水洗式塗料回収や調合室などの削減で、床面積を従来の30m2から3m2へと約90%省スペース化を図った。また、空調エネルギーの使用抑制でCO2排出量を約80%削減、また独自の気流制御技術とドライブース構造でスプレー塗装時のダスト飛散の抑制も図っている。東海理化は協力会や仕入先を対象に説明会を実施し、さらなる改良や運用方法の検討を進めていくとしている。

リケンNPR 水素エンジンバスで連携協定を締結       2025/7/31

 リケンNPRは、横浜市、東京都市大学、日清オイリオグループと、水素エンジンコンバージョンバスの共同実証等に連携して取り組むことを目的とした連携協定を締結したと発表した。リケンNPR、東京都市大学、日清オイリオは、エンジンパスのディーゼルエンジンを水素燃料にする水素エンジンコンバージョンに転換する研究実証に取り組んでいて、今回横浜市が連携協定の枠組みに入ったことで、横浜市域での走行実証や普及啓発などを行い、CO2排出量削減手段選択肢を増やすとともに、水素社会の実現に向けて取り組んでいく。

新事業

豊田合成 TOTO向けオリジナルバックを製作  2025/7/28

 豊田合成のエシカルブランドRe-Sは、TOTO向けに、エアバック生地とシートベルト端材を活用したオリジナルバックを企画・製作したと発表した。製品は、カタログなど提案ツールの持ち運び用に活用される予定だ。

TPR コミュニケーションサポートロボット「CoRoMoCo」の受注受付を開始    2025/7/30

 TPRは、介護施設向けコミュニケーションサポートロボット「CoRoMoCo」の受注受付を8月1日より開始した。CoRoMoCoは、生成AIによる対話機能や表情・心拍情報に基づいた勘定推定機能などを備え、利用者との自然なコミュニケーションにより、介護現場での心理的ケアと介護労働の負担軽減を目指している。

体制

小糸製作所 中国の生産体制を見直し  2025/7/29

 小糸製作所は、中国の生産体制を見直し、湖北小糸における標識灯の生産を広州小糸及び小糸九州へ移管し、2026年より湖北小糸を前照灯専門工場とすると発表した。小糸製作所は中国で、広州小糸車灯・湖北小糸車灯・福州小糸車灯の3社で生産を行ってきたが、中国市場での日系自動車メーカーの販売台数が急減し、3社の稼働率は約5割となっていた。2025年4月には生産体制の見直しの一環として、福州小糸の解散・清算を発表していた。

リケンNPR 日ピス福島を吸収合併    2025/7/30

 リケンNPRは、連結子会社である日本ピストンリングの子会社日ピス福島製作所を吸収合併すると発表した。グループ内のNPRがピストンリング、バルブシート、カムシャフト等の内燃機関部品を製造、日ピス福島も内燃機関部品であるバルブシートやシリンダライナ、鋳鉄製品の製造を行っている。リケンNPRは、経営統合によるシナジー効果の早期確保を図る目的で、日ピス福島の吸収合併を決定した。2025年10月1日の合併効力発生を予定する。

武蔵精密 インド・バンガロールに技術センターを開設   2025/7/31

 武蔵精密工業は、子会社であるインドのMusashi Auto Parts India(MAP-ID)が、インド・カルナータカ州バンガロールのアトリア大学キャンパスに武蔵・テクノロジー・エクセレンスセンター(M-TEC)を開設したと発表した。M-TECでは、エネルギーストレージソリューションの開発に注力し、インド市場向けバッテリーエネルギーストレージシステムを開発の上、市場投入までの時間短縮を促進するとしている。

マレリ 米国デラウェア州連邦倒産裁判所より11億ドルファイナンス利用の承認を取得  2025/8/1

 マレリHDは、米国デラウェア州連邦倒産裁判所よりDIPファイナンス11億ドル全額の利用に関する承認を取得したと発表した。これによりマレリは顧客へのサービスの提供を継続しながら、利害関係者に対する支払義務を中断することなく履行することが可能となった。

決算

ニュースウォッチ

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