水素、アンモニア、LOHC
JERA 四日市コンビナートを水素アンモニア拠点化 2025/8/12
JERAは、三重県および四日市市と、四日市コンビナートの水素アンモニア等の拠点化およびインフラ整備の共同化などを含む、維持・発展・協力に関する協定書を締結したと発表した。コンビナートでは製造プロセスでCO2を排出していて、さらなる発展のためには、水素アンモニア等カーボンフリーエネルギーの活用や製造プロセスの転換といったGXの推進が必要としている。三重県および四日市市との協定は、同じ四日市コンビナートに事業所を持つ、石原産業、出光興産、ENEOSマテリアル、KHネオケム、コスモ石油、昭和四日市石油、JSR、東ソー、東邦ガス、日本エア・リキード、三菱ケミカルもそれぞれ締結を行った。
関西電力 水素混焼発電での環境価値管理に関する実証開始 2025/8/19
関西電力は、BIPROGYおよび川崎重工と協力して、関西電力姫路第二発電所での水素混焼発電で、水素製造から電力供給までのCO2排出力を算定した上で、水素の追跡・記録による環境価値を管理する実証を開始すると発表した。姫路第二発電所エリア内で製造した低炭素水素や、福井県で製造された原子力由来の低炭素水素、山梨県で製造されたグリーン水素に対して、30分単位でCO2排出量の算定と水素のトラッキングを行い、水素混焼によって発電された電力が低炭素水素やグリーン水素由来であることの識別が可能であるか検証する。3社は実証を通じて、水素発電での環境価値管理モデルの構築を行うとともに、低炭素水素の利用拡大に向けた取り組みを推進していくとしている。
合成燃料
ENEOS 全日本スーパーフォーミュラにE10ガソリン供給 2025/8/12
ENEOSは、全日本スーパーフォーミュラ選手権2026シーズンに、低炭素ガソリン(E10)を供給すると発表した。食料と競合しない第2世代バイオエタノール燃料の製造技術を研究するraBit(福島県双葉郡)が生産する国産セルロースエタノールをENEOSが既存ガソリンと混合し、E10ガソリンとして供給する。
東洋エンジ SAF製造可能性調査がNEDO事業に採択される 2025/8/21
東洋エンジニアリングは、NEDOの「SAF等の安定的・効率的な生産技術開発事業」に応募した「原料を拡大したガス化FT合成SAFおよびeSAF製造可能性調査」が事業に採択されたと発表した。事業では、都市ごみなどの多用な原料を対象として、ガス化FT合成経由、メタノール経由のSAF製造について技術的・経済的可能性を調査する。FT合成技術は、2021年2月に包括協定書を締結し、マイクロチャンネルFT合成技術を保有する英国Velocys社の技術を、メタノール製造については東洋エンジニアリングの技術を活用する。

CO2回収、DAC、CCUS
住友化学、JFEエンジ 膜分離法CO2回収の実証試験に着手 2025/8/19
住友化学とJFEエンジニアリングは、独自の膜技術を用いたCO2分離回収の実証試験を川崎市環境局が管理・運営するごみ焼却施設・川崎市浮島処理センターで2026年3月から開始すると発表した。住友化学は、2022年5月よりOOYOO社と共同で分離膜を用いた低圧・低濃度のCO2分離回収技術開発に取り組み、実機サイズの分離膜エレメントの製造およびモジュールの製造に成功している。JFEエンジは2025年4月からプロジェクトに参加している。住友化学は、開発したCO2分離膜を使用した膜モジュールの組み立て加工や分離プロセスの基本設計を行い、10%以下の低濃度CO2を含む排ガスから低エネルギーでCO2を分離回収できるシステムを開発する。JFEエンジは、CO2分離回収プロセスの詳細設計およびCO2分離回収試験設備の設計・据付・運用を行う。

川崎重工 ごみ焼却施設から排出CO2活用CCUで協定を締結 2025/8/20
川崎重工は、郡山市およびエア・ウォーター東日本、東部ガス、日東紡績と共同で、ごみ焼却施設の排ガスからCO2を分離・回収した上で燃料化し地域で循環活用する、炭素循環事業モデル構築に向けた連携協定を締結したと発表した。川崎重工と郡山市は、2023年3月に「ごみ処理施設から発生する排ガスを対象としたCO2分離・回収」の実証試験で協定を締結し、川崎重工が開発したCO2分離・回収システムKawasaki CO2 Capture(KCC)の適用評価を行ってきた。今回の協定では、回収したCO2とグリーン水素からe-メタンなどの燃料に転換し、製造事業者や一般家庭で使用する炭素循環のモデル構築のためのベンチスケール実証を行う。実証事業は令和7年度の環境省委託事業に採択された。

プラスチック
住友化学 エタノールからプロピレン直接合成製造のスケールアップに成功 2025/8/20
住友化学は、エタノールからプロピレンを直接製造する新プロセスのパイロット設備を千葉工場袖ケ浦地区に設置し、稼働を開始したと発表した。現在、プロピレンは国内ではナフサを原料として製造されているが、サステナブルが化学原料への転換が期待されている。エタノールは、サトウキビなどの可食原料やパルプなどの非可食原料から製造することができサステナブル原料として注目されている。開発中のプロセスは、エタノールを原料とし、エチレンなどを経由せずに一工程でプロピレンを製造することができる。住友化学は今後、工業化に向け各種データの取得を進めるとともに、プロセスで製造されたプロピレンを用いたポリプロピレンのマーケティング活動を行い、2030年代前半の事業化および他社への技術ライセンス供与を目指すとしている。

統計
エチレン 生産量、稼働率 2025年7月
原油、ガソリン小売価格 2025年7月
汎用樹脂 生産、販売量 2025年6月
ニュースウォッチ
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