技術、製品
小糸製作所 月面探査機の船外照明を開発へ 2025/10/15
小糸製作所は、トヨタ自動車とJAXAが研究開発を進める月面での有人探査活動用有人与圧ローバー「ルナクルーザー」の船外照明の技術開発に関する契約を締結したと発表した。月面では、昼夜の寒暖差が200℃以上となり、大気が存在しないため、対流による放熱は期待できない。そのため極低温環境下でも動作を維持するヒーターや真空対応放熱構造、冗長性を備えた複数光源、また、月面上の砂礫(レゴリス)対策として高い防塵・密封性の技術開発に取り組んでいるとしている。

出光 潤滑剤とPEEKコーティングによる低摩擦化 2025/10/16
出光興産は、コーティング技術に強みを持つ韓国のゼニス社と、その日本代理店グローバルコード(GC)社と共同で、出光の潤滑剤とゼニス社PEEKを用いたコーティングを組み合わせた低摩擦ソリューション事業に関する基本合意書を締結したと発表した。
従来、自動車や産業機械などの摺動部には、潤滑剤とテフロンコーティングにより低摩擦化処理がされていたが、テフロンはPFAS物質であり、環境への影響が懸念されていて代替材料への期待が高まっている。出光は、代替物質として非PFASで耐熱性、耐摩耗性に優れたエンジニアリングプラスチック「PEEK」に着目した。一方で、PEEKは基材との密着性が難しかった。ゼニス社は、基材表面に微細な凹凸を形成するアンカー構造を形成する技術を保有していて、出光はゼニス社の技術を採用することになった。出光は、潤滑剤の処方を最適化し、PEEKの特徴を発揮できる潤滑剤を開発した。GC社は、ゼニス社の委託を受け、コーティング塗料化したPEEKの日本国内への輸入及び基材へのコーティング施工を行う。
新事業
TPR 東京都のオープンイノベーション事業に採択 2025/10/16
TPRは、、東京都が実施する「大企業等の保有資産を活用したオープンイノベーション促進事業(Tokyo Cross Lab)」に、参画企業の1社として採択されたと発表した。事業は、TPRが2026年4月に竣工予定の「フロンティア・イノベーションセンター」(東京都中央区晴海)の施設を、スタートアップや中小企業に研究開発拠点として開放し、共創による新規事業層支援する。TPRは、EV・モビリティ・宇宙関連などのロボティクス・製造技術、およびそれらに付随するソフトウエア・アプリケーション技術等の協業を期待しているとしている。
豊田自動織機 発電機用8kW燃料電池モジュールを発売 2025/10/17
豊田自動織機は、発電機用の8kW燃料電池(FC)モジュールを発売したと発表した。FCモジュールは、FCスタックやエアコンプレッサー、水素循環ポンプなどをパッケージ化したものだ。豊田自動織機は、トヨタのMIRAIに搭載されたFCセルを活用し、2021年には出力8kW級、2023年には50kW級のFCモジュールを開発し、実証実験を行ってきた。今回の発電機用8kWFCモジュールは、小型発電機として建設現場や屋外イベントなどでの利用が期待されるとしている。

M&A、出資
不二精機 東北プレスト資本業務提携 2025/10/15
精密金型およびプラスチック成形を手掛ける不二精機(大阪市中央区瓦町)は、東北プレス工業(宮城県大崎市)と資本業務提携契約を締結すると発表した。自動車のBEV化進展に伴い、精密金型による成形技術と高精度プレス技術の融合に伴う新たな部品開発が不可欠になるとみられ、両社の強みを掛け合わせ新製品・新技術の創出することを目的として資本業務提携を締結する。不二精機は、東北プレスから株式の譲渡を受けるが、割合および譲受額は非公表としている。2025年12月31日の株式取得完了を予定する。
ユニバンス やさいバス食堂に出資 2025/10/16
ユニバンスは、静岡県掛川市に本社があるやさいバス食堂に出資したと発表した。やさいバス食堂は、農業関係のスタートアップを経営している加藤百合子氏が2024年10月に設立した会社で、持続可能な「食」と「ビジネス」を生み出す拠点として、スタートアップ企業のインキュベーション支援を行っている。ユニバンスは、農業関連事業への展開を模索する中で、やさいバス食堂との連携を通じて知見を広げることを目的に出資を行ったとしている。
体制
PPES BEV用新型電池を姫路工場で量産開始 2025/10/9
プライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)は、姫路工場の新ラインで、BEV用角形リチウムイオン電池の新機種の量産を始めたと発表した。2025年1月より量産の開始を行っているが、今秋以降トヨタから発売される新型bZ4X、LEXUS 新型RZ、SUBARU 新型ソルテラに搭載される。
アイシン 自動変速機の海外生産実証事業が経産省の事業補助金に採択 2025/10/17
アイシンは、経済産業省が公募した「令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に応募し、「インド/日本品質自動変速機の海外生産実証事業」が採択されたと発表した。事業支援を受け、アイシンはインドでのCVT生産の実証を開始する。インドでは、既にeAxleの現地生産を行っているが、CVTはeAxleよりも構造が複雑で、生産難易度が高い。アイシンは、インドの現地法人に生産設備を設置し、日本と同等の品質を維持しながら、低コストでのCVT生産を目指す。
統計
各国二輪車 販売台数 2025年9月
ニュースウォッチ
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