水素、アンモニア、LOHC
堀場製作所 INPEXブルー水素実証試験に分析・計測機器を設置 2025/11/17
堀場製作所は、INPEXが新潟県の東柏崎ガス田平井地区で進めるブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験で、ブルー水素製造プロセスに用いられるガスおよび液体の分析・計測機器を設置したと発表した。堀場は、ブルー水素製造プロセスに最適なガス・液体分析・計測機器の選定から納入、運用支援まで行った。

堀場製作所 SOECの劣化機構解明で産総研と共同研究 2025/11/19
堀場製作所は、産総研などが推進するNEDOプロジェクト「高温水蒸気電解評価解析プラットフォームの技術開発」に参画すると発表した。堀場のFCやSOECセルスタック評価装置「Evaluator S5-HT」に分析計などを組み合わせたシステムを用いる。流量や温度を制御した水蒸気をセルスタックに供給し、水素の生成量を測定することで、SOECセルスタックの劣化評価お解析に関する手法、標準的な性能・精度を持つ評価措置の仕様の確立を目指す。期間は2030年3月までとなっている。
川崎重工 液化水素基地の起工式を開催 2025/11/27
川崎重工は日本水素エネルギー(JSE)と共同で、神奈川県川崎市扇島のJFEスチール敷地内に建設する液化水素基地「川崎LH2ターミナル」の起工式を開催したと発表した。川崎LH2ターミナルは、NEDO GI基金事業に採択された「液化水素サプライチェーンの商用化実証」の主要設備で、貯蔵容量5万m3の世界最大級の液化水素貯蔵タンク、海上荷受設備、水素液化設備、水素送ガス設備、液化水素ローリー出荷設備を備える。JSEが事業主体として、川崎重工を含む建設業者が設計・建設を担当する。商業化実証では、2030年度までに国際水素サプライチェーンの商用化要件の確認を国内で行い、2030年度以降は、海外から調達した液化水素を日本に輸入して、川崎LH2ターミナルで受入・貯蔵した後、国内の需要家に供給することを目指す。
合成燃料、バイオ燃料
大阪ガス 米国産バイオメタンを調達へ 2025/11/28
大阪ガスは米国の100%子会社を通じて、bpグループのアーカエラ・エナジー社が米国で生産するバイオメタンの調達契約を締結したと発表した。アーカエラ・エナジーが米国内に保有するごみ埋立地由来のバイオメタン約2.6万Nm3(約20トン)を調達する。大阪ガスは今回の取り組みを通じ、e-メタンやバイオメタンの国内外のサプライチェーン構築を目指すとしている。
CO2回収、DAC、CCUS
マツダ 車載CO2回収装置の実証実験を開始 2025/11/17
マツダは、独自のCO2回収装置「Mazda Mobile Carbon Capture」の実証実験を開始したと発表した。装置にはゼオライトをCO2吸着剤として採用し、排出ガス中のCO2を吸着する。11月15・16日に開催されたスーパー耐久シリーズ第7戦でマツダのレース車両に搭載し、CO2の吸着を確認した。マツダは、今後CO2回収率の向上に向けた実証実験を継続していくとしている。

ENEOS Xplora ベトナムでのCCS事業に関する覚書を締結 2025/11/24
ENEOS Xploraは、ベトナムの国家エネルギー会社ペトロベトナム(PVN)およびJOGMEC、ギソン2パワー社と共同で、ベトナムでのCCS事業立上げに向けた協力に係る覚書を締結したと発表した。ENEOS Xploraは、PVNとJOGMECが2024年2月より実施してるベトナムでのCCS共同開発に参画し、事業化の可能性を検討する。
ノリタケ 工場排ガス向けCO2回収材を開発 2025/11/26
ノリタケは、インドの科学産業研究機構CSIR-NIISTと共同で、工場排ガス向けCO2回収材を開発したと発表した。CO2回収で代表的に使用されているアミン液は、100℃前後でCO2を脱離するため、300℃以上になることがある工場排ガスでは使用ができない。ノリタケとCSIR-NIISTは、高温に耐えられるセラミックスを用い、素材の合成方法と添加物を研究することで、300~400℃の工場排ガスを冷却せずに、CO2濃度20%以上で単位質量あたりアミン液と同等、50%以上では2.5倍となるCO2を回収する回収材を開発した。今後、両社は実証試験を行っていくとしている。
ENEOS Xplora CO2鉱物化で覚書を締結 2025/11/27
ENEOS Xploraは、九州電力およびカーボンフロンティア機構(JCOAL)と共同で、CO2鉱物化の社会実装に向けた協力関係に関する覚書を締結したと発表した。CO2鉱物化は、マグマが冷えてできた岩石「火成岩」にCO2を圧入することで、火成岩から溶出したCaやMgイオンと反応させ、炭酸塩鉱物(CaCO3やCaMg(CO3)2)として貯留する技術だ。従来のCCSは砂岩へのCO2貯留を対象としているが、火成岩を対象とすることで日本でのCO2貯留可能性の拡大が期待できる。ENEOS Xploraは、JX石油開発時代よりCO2鉱物化に関する技術開発を行っていて、今回の覚書締結により、国内でのCO2鉱物化の実証・事業化に向けた具体的な協議を行っていく。
体制
ニチアス 浜松研究所に液化水素の実験棟を新設 2025/11/26
ニチアスは、静岡県浜松市にある浜松研究所に液化水素実験棟を建設すると発表した。ニチアスはこれまで断熱材やシール材を提供してきたが、液化水素用の製品の開発のためには液化水素の実液を使用できる環境が必要となっていた。液化水素の温度-253℃での材料の物性データが少ないため、熱伝導率や強度といった材料の物性を評価する装置の開発・充実も進め、製品開発を加速化させる。実験棟は2026年3月の完成を予定する。
プラスチック
三菱重工 日本ゼオン向けCOPプラントのEPCを受注 2025/11/25
三菱重工業は、日本ゼオンが山口県周南市で計画するシクロオレフィンポリマー(COP)製造プラントに関するEPC契約を受注したと発表した。三菱重工は、プロセス設計、主要機器の調達、据付工事を行い、フジタが建築・土木工事を担当する。2028年上期のプラント竣工を予定する。
M&A、出資
デンカ 導電性ポリマー開発スタートアップに出資 2025/11/25
デンカは、ペガサス・テック・ベンチャーズと共同で運営するCVCファンドを通じて、導電性ポリマー「PEDOT/PSS」の開発・製造・販売を手がけるスタートアップ企業「クレバ」(東京都大田区)に出資すると発表した。PEDOT/PSSは、優れた電気伝導特性を持つ導電性ポリマーだ。コンデンサ用途に加え、近年の次世代ディスプレイやフレキシブルデバイスの需要拡大を受け、タッチパネルや有機EL、ペロブスカイト太陽電池等、次世代の産業インフラを支える素材として期待されている。デンカは、出資を通じ高性能導電性ポリマーの共同開発や新規用途への展開、製造プロセスの構築などの価値創出を目指すとしている。
カナデビア 水素ファンドに出資 2025/11/27
カナデビアは、アドバンテッジパートナーズグループ(APグループ)が主催する水素関連分野に特化したファンド「Japan Hydrogen Fund」に出資すると発表した。カナデビアは、山梨県都留市に水電解スタック量産工場の建設を表明するなど、水電解装置事業の強化を図っていて、ファンドへの出資によりグローバルでのパートナーシップを推進し、水素関連事業の展開で競争力強化を果たしていくとしている。
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