政策・規制、審議会
経産省 資源開発等方向性議論での水素に関する事項 2026/5/14
経済産業省は、5月14日に開催された総合資源エネルギー調査会・小委員会で、「化石燃料を巡る国際情勢等を踏まえた資源開発等の方向性について」の資料を公表した。中東情勢をめぐり、原油、LNGなどの安定供給確保について提示されているが、ここでは資料内にある水素関連事項について抜粋する。
●水素等プロジェクトに対するJOGMECリスクマネー供給
水素等の市場・産業全体の成長スピードは減速しつつも、底堅い投資は継続し、特に欧中印ではエネルギー安全保障の観点からも、水素等の市場投資が進んでいるとの見方を示している。JOGMECは、日本のエネルギー安定供給に資するプロジェクトを支援していてリスクマネー供給を行っている。支援中のプロジェクトについては下記表の通り。

●天然水素資源の可能性
天然水素について、海外では米国・欧州・豪州等を中心に、スタートアップ等が天然水素の探鉱及び開発に向けた取組みを推進している。日本でも長野県白馬八方温泉等で観測されている。
天然水素は、地下の地質学的反応、主に「かんらん岩の蛇紋岩化反応」、「水の放射線分解」及び「断層の活動に伴う反応」等により生成される。日本は、蛇紋岩等が全国的に分布していて、一部の地域では温泉水等に水素が観測された事例もあることから、地下で水素が生成される可能性が高い。一方、天然水素の探鉱および開発は黎明期にあり、不確実性やリスクが大きいため、日本政府として関与・支援を行い、将来的な開発に必要となる技術・知識の蓄積を図るとしている。その上で、天然水素を鉱物資源として明確化や規制対象として分類することも含めて適切な管理の必要性の議論が必要としている。

水素、アンモニア、LOHC
つばめBHB 東京都の窒素系肥料製造事業に採択 2026/5/12
つばめBHBは、東京都が公募した東京都産グリーン水素を使った窒素系肥料製造事業に採択されたと発表した。東京都が令和7年10月、大田区京浜島に開所したグリーン水素製造所で製造する東京都産グリーン水素を、つばめBHBのパイロットプラントに供給し、アンモニアを合成する。このアンモニアを原料として関連企業と連携し窒素系肥料を試験製造する。事業期間は、令和8年4月1日から令和9年3月31日までで、東京都の上限負担額は1億5,000万円となっている。
合成燃料、バイオ燃料
ENEOS SAFを活用したGHG排出削減を推進 2026/5/11
ENEOSは、古河電工、住友倉庫と共同で、東京都が実施する「企業のScope3対応に向けた航空貨物輸送でのSAF活用促進事業」で、SAFの環境価値を活用したと発表した。古河電工が住友倉庫に委託して輸送する航空貨物について、ENEOSが住友倉庫および古河電工に対して、それぞれのSAF利用相当量のGHG排出削減証明書を発行し、貨物代理店独自のSAF環境価値管理プログラムを必要とせず、サプライチェーン(SC)における一気通貫での環境価値の利用を可能とした。3社は、事業を通じて、航空輸送分野での脱炭素化を推進するとともに、SC全体でのGHG排出削減に貢献するとしている。

体制
旭化成、三井化学、三菱ケミカル 西日本でのエチレン製造共同事業体出資比率を決定 2026/5/12
旭化成、三井化学、三菱ケミカルの3社は、、西日本におけるエチレン製造設備のグリーン化および生産体制最適化に向けた共同事業体設立に関し、出資比率を三井化学45%、三菱ケミカル45%、旭化成10%とすることを前提に検討を進めると発表した。3社は、共同事業体を設立のうえ、2030年度を目途に三菱ケミカル旭化成エチレン水島工場のエチレン製造設備を停止し、三井化学の連結子会社である大阪石油化学の設備への集約について合意をしている。
日本液炭 液化炭酸ガス製造拠点を新設 2026/5/15
日本酸素株の子会社である日本液炭は、九州製鉄所大分地区構内に、鉄鋼製造プロセスから副生されるガスを原料とする液化炭酸ガス製造拠点を新設すると発表した。ひっ迫する液化炭酸ガス需要に対応する。生産能力は1日あたり300トン、2028年9月の完成を予定する。
プラスチック
三菱ケミカル PBS事業から撤退 2026/5/12
三菱ケミカルは、タイのPTT Global Chemical(PTTグローバルケミカル)社と折半出資するPTT MCC Biochem(PTTMCCバイオケム)社でのポリブチレンサクシネート(PBS)事業から撤退すると発表した。三菱ケミカルは、生分解性プラスチックPBSを「BioPBS」として2017年から商業生産を開始したが、市場環境が想定から乖離し、収益性の低迷が続いている。事業の見通しを検討した結果、将来的な成長は困難であると判断し、事業撤退を決定した。2025年12月に既に生産は終了済みで、在庫がなくなり次第販売も終了する。
日本ゼオン COP原料生産能力増強 2026/5/12
日本ゼオンは、岡山県倉敷市の水島工場にジシクロペンタジエン(DCPD)生産能力増強の投資決定をしたと発表した。DCPDは、シクロオレフィンポリマー(COP)の原料であり、COPは光学フィルムなどに使用されている。増強するプラントは、C5留分から抽出蒸留により有効成分を取り出すゼオン・プロセス・オブ・イソプレン(GPI)法によるプラントで、DCPDの生産能力が現行比最大2割向上する。工事は2026年度下期に着工し、2028年9月の完工を予定する。
出光 インドALOK社と戦略的協業の検討を開始 2026/5/13
出光興産は、インドのコンパウンドメーカーALOK Masterbatches(ALOK)社と、SPS(シンジオタクチックポリスチレン)樹脂を用いたコンパウンド製品の製造・販売に向けた戦略的協業に関する共同検討を開始したと発表した。出光は、ALOK社へのSPS樹脂の供給やコンパウンド設計に関する技術的知見の提供を検討。ALOK社は、コンパウンド製品の製造・品質保証、販売・マーケティングなどについて検討を進め、2026年中の販売開始を目指す。
M&A、出資
三井物産 DAC技術開発Planet Savers社に助成 2026/5/12
三井物産は、DACの技術開発を行うPlanet Savers社(プラネットセイバース)を、三井物産共創基金の助成案件として選定したと発表した。助成額は1億円。プラネットセイバース社は、東京大学発のスタートアップで、ゼオライトを活用し、熱を必要とせず電気のみで駆動するDACプロセスの開発を行っている。三井物産は基金を通じ、プラネットセイバース社の開発に共創し、回収したCO2の農業施設等での活用や、将来的には大規模需要家への展開も視野に支援を行っていくとしている。
出光 米CREW Carbon社に出資 2026/5/15
出光興産は、出光CVCを通じて、WAE(排水アルカリ度増強)によるカーボンクレジットを創出した米国CREW Carbon(クルー)社に出資したと発表した。クルー社は、下水処理場などの排水に含まれる有機物が微生物によって分解されるCO2を、排水処理設備でCaCO3と反応させ回収する技術を有している。出光は、クルー社のCO2除去(CDR)ビジネスのノウハウや技術的知見の獲得を行うとともに、将来的な日本国内への導入や世界各国への展開も視野に入れて、ビジネス実現性および事業性を検討する。
決算
重工業、エンジニアリング会社 決算状況 2026年3月期
石油・化学会社 決算状況 2026年3月期
ニュースウォッチ
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