重工業、エンジニアリング会社 決算状況 2025年3月期
重工業、エンジニアリング会社 決算状況 2025年3月期

重工業、エンジニアリング会社 決算状況 2025年3月期

売上収益: 千代田化工を除いて各社増収。
 重工業各社は航空宇宙関係が伸長し増収。
 日揮HD、東洋エンジは各設備投資、プロジェクト進捗し増収。

営業利益: 東洋エンジを除いて増益。日揮HDは前期に続き欠損。
 重工各社は航空関係事業増収影響から増益。 
 日揮は顧客投資決定遅延による損失あり欠損も、損失幅縮小。
 東洋エンジは粗利低下で減益。

三菱重工

売上収益
・概況:全セグメント好調、特に防衛・宇宙、航空機・飛昇体が伸長し、前期比7.9%増となる5兆271億円となった。
・セグメント:
 エナジーは、GTCC受注増、航空エンジンは売上増のほか前期一時費用リバウンドで前期比5.3%増となる1兆8,157億円、
 プラント・インフラは、製鉄機械を中心に受注堅調で2.3%増の8,521億円、
 物流・冷熱・ドライブシステムは、物流機器販売台数減少で0.6%減の1兆3,071億円、
 航空・防衛・宇宙は、艦艇と宇宙の受注が伸長、順調な工事の進捗で30.2%増の1兆306億円となった。

事業利益
・概況:エナジー、プラント・インフラ、航空・防衛・宇宙の3セグメントが前期比増益。売上増・利益率改善、為替円安影響、土地売却などが寄与し、事業利益は前期比36%増の3,831億円となった。
・セグメント:
 エナジーは、前期比37.0%増となる2,053億円、
 プラント・インフラはエンジニアリング33.3%増の596億円、
 物流・冷熱・ドライブシステムは、物流機器販売台数減、ターボチャージャーサプライチェーン混乱で32.3%減の493億円、
 航空・防衛・宇宙は、37.6%増の999億円となった。

川崎重工

売上収益
・概況:航空宇宙システム事業を中心とした各事業での増収から前期比15.1%増となる2兆1,293億円となった。
・セグメント:
 航空宇宙システムは、防衛庁、民間航空エンジン分担製品増加により前期比43.3%増となる5,678億円、
 車両は、国内・アジア減少も米国向け増加により13.5%増の2,223億円、
 エネルギーソリューション&マリンは、国内向けごみ処理施設整備・運営事業の大口案件や防衛省向け艦艇用機器が増収に寄与し12.7%増の3,981億円、
 精密機械・ロボットは、半導体製造装置向けロボットや精密機械分野が主要因で6.0%増の2,415億円、
 パワースポーツ&エンジンは、二輪車の増加と円安効果で2.9%増の6,093億円となった。

事業利益
・概況:航空宇宙システム事業、精密機械・ロボット事業での改善や、エネルギーソリューション&マリン事業での増益から前期701億円の損失から1,435億円の利益計上となった。
・セグメント:
 航空宇宙システムは、増収効果などにより前期150億円の損失から558億円の利益を計上、
 車両は、127%増の84億円、エネルギーソリューション&マリンは38.6%増の442億円、
 精密機械・ロボットは、増収効果に加え価格転嫁などにより前期19億円の損失から478億円の利益、
 パワースポーツ&エンジンは増産投資による固定費増で0.4%減の478億円となった。

IHI

売上収益
・概況:民間エンジン事業、防衛事業が大きく成長し、前期比23.0%増の1兆6,268億円となった。
・セグメント:資源・エネルギー・環境は1.6%増の4,114億円、社会基盤は5.0%減の1,623億円、産業システム・汎用機械は4.0%増の4,848億円、航空・宇宙・防衛は105.5%増の5,557億円となった。

営業利益
・概況:車両過給機における事業構造改革費用や不適切行為に関連した費用の計上等の影響はあったが、民間向け航空エンジンの大幅な増収により前期701億円の損失から1,435億円の利益計上となった。
・セグメント:
 資源・エネルギー・環境は、LCBプロジェクト端境期による減収、海外収益悪化、品質事案対応で9.0%減の161億円。
 社会基盤は、IHI建材の事業譲渡による構造改革により前期2億円の損失から94億円の利益、ただし都市開発実績をその他に付け替えた計上では42億円の損失としている。
 産業システム・汎用機械は、パーキングでの収益改善あるも車両過給機での販売価格交渉新着遅れにより15.0%減の108億円。
 航空・宇宙・防衛は、民間向け航空エンジンでのスペアパーツ販売拡大、防衛事業拡大あるも、一部エアライン向け債権についての貸倒引当金を計上し219%減の1,227億円となった。

日揮HD

売上収益
・概況:総合エンジニアリング国内市場での設備投資進展、GI基金事業での低・脱炭素、資源循環分野設備投資計画進展などにより前期比3.1%増となる8,580億円となった。
・セグメント:
 総合エンジニアリングはで前期比3%増の7,949億円、
 機能材製造はファインケミカル半導体やエレクトロニクス向け製品需要堅調、ファインセラミックス分野好調などで5%増の546億円、
 その他は9%増の84億円となった。

営業利益
・概況:総合エンジニアリング事業での顧客投資決定遅延などから工事採算悪化などにより前期189億円の損失から114億円の損失に軽減となった。
・セグメント:
 総合エンジニアリングは前期220億円の損失から145億円の損失に軽減、
 機能材製造は前期比13%増の81億円、
 その他は20%増の24億円となった。

千代田化工

売上収益
・概況:国内外の手持ち案件が順調に推移したが連結完成工事高は前期比9.7%減となる4,569億円となった。受注残高は前期比25.6%減の7,398億円。
・事業セグメント:エンジニアリング事業全体では前期比9.7%減の4,563億円。
 エンジニアリング事業のうち、エネルギー分野のLNGプラント関係が3.4%増の2,502億円、その他ガス関係が62.8%増の47億円、石油・石油化学関係が9.6%増の332億円。
 エンジニアリング事業のうち、地球環境分野の医薬・生化学・一般化学関係が14.7%増の356億円、環境・新エネルギー・インフラ関係が35.0%減の1,266億円、その他が31.1%増の57億円。
 エンジニアリング以外のその他の事業が9.3%増の6億円でった。

・国内外:国内が前期比19.2%増の1,018億円、海外が15.6%減の3,551億円となった。

営業利益
・概況:前期150億円の損失から244億円の利益を計上に改善。

東洋エンジニアリング

売上収益
・概況:複数の国内向けバイオマス発電所、タイ向け石油化学プラント、中国向け化学プラント等の複数のプロジェクトの進捗により前期比6.6%増となる2,780億円となった
・商品セグメント:
 石油化学は前期比22.6%減475億円、
 石油・ガス54.7%増783億円、
 発電・交通システム等35.1%減463億円、
 化学・肥料69.0%増833億円、
 医薬・環境・産業施設31.1%減133億円、
 その他4.5%増93億円。
・地域セグメント:
 日本46.2%減650億円、
 東南アジア・韓国21.5%増464億円、
 西南アジア・中東・アフリカ64.9%増874億円、
 ロシア・中央アジア39.2%減59億円、
 北米90億円(前期カテゴリなし)、
 中南米376億円(前期カテゴリなし)、
 中国14.8%減265億円などとなった。。

営業利益
・概況:完成工事高は増加も、完成工事総利益率が低下し前期比61.4%減となる25億円となった。

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