プラスチック関連ニュース 2023.8.25
プラスチック関連ニュース 2023.8.25

プラスチック関連ニュース 2023.8.25

研究

愛媛大学 高融点を示す炭素主鎖骨格を持つポリマーの合成に成功    2023.8.8

 愛媛大学大学院理工学研究科の下元浩晃准教授と井原栄治教授らの研究グループは、高分子の側鎖にアミド結合を導入することで、ポリマーの立体構造が制御されていないにもかかわらず100℃を超える高融点を示すポリマーの合成に成功したと発表した。アミド結合の導入によって側鎖の運動性が制御されることが高融点を示すことに繋がっていると推定している。

産総研 スーパーエンプラを分解する技術を開発         2023.8.17

 産総研触媒化学融合研究センター ケイ素化学チームの南保規主任研究員らのグループは、リサイクルが難しいスーパーエンプラ ポリスルホン(PSU)を低分子分解する解重合反応を開発したと発表した。従来高温でガス化により分解していたが、PSUをDMI溶媒の中で、求核剤の水酸化セシウムと脱水材である水酸化カルシウムを混合し150℃で撹拌することで解重合反応を進行させ、ビスフェノールAとビスフェノールSに分離回収した。この解重合反応はPEEKやPEESにも適用可能としている。

プラスチック、原料

東レ タイでバイオマス原料バガス糖製造を拡充 2023.8.22

 東レは、タイで分離膜を利用してサトウキビの搾りかすであるバガスから糖を製造する技術を開発しているセルロース・バイオマス・テクノロジー社に増資を行い、出資比率を67%から84.4%に引き上げたと発表した。今後、キャッサバパルプ非可食糖の製造も含めポリマーの非可食バイオマス原料の早期事業化を目指す。

クレハ PFVDの生産を増強    2023.8.22

 クレハは、福島県いわき市にあるいわき事業所でフッ化ビニリデン樹脂(PFVD)の生産設備を年産8,000トン増強すると発表した。現在はいわき事業所で年産6,000トン、中国子会社で同5,000トン生産設備を有している。PFVDは一般産業用途のほか、LiB用バインダーとしてEV車載電池用途での市場規模拡大が予測されている。クレハは能拡に700億円を投資し、2026年の生産稼働を目指す。なお、経産省の「蓄電池の国内生産基盤確保」助成金を受ける。

適用

アキレス 農業用生分解性マルチフィルムの機能を強化         2023.8.23

 アキレスは、農業用途に使用される生分解性マルチフィルム「ビオフレックスマルチ」の保湿効果を向上し、植物由来原材料を含有した「ビオフレックスマルチプラス」を2023年10月2日より発売すると発表した。ビオフレックスマルチプラスは従来品に比べ透湿度が約40%低減し、加水分解と酵素分解の上、最終的には微生物によって水とCO2に分解されるとしている。

三井化学 作新工業製超高分子量PEがアルマ望遠鏡のレンズ素材に採用       2023.8.24

 三井化学は、子会社である作新工業の超高分子量PE成形品ニューライトが、国立天文台が参画するチリの高原に設置されたアルマ望遠鏡の受信機のレンズ素材として採用されたと発表した。ニューライトは樹脂としてはトップクラスで高周波電波を通す素材で、5,000mの高地での紫外線の耐性を高めたニューライトを提供し、微弱な高周波電波を低損失で受信する。

リサイクル

JACDS 再生プラ回収品を原料に買い物かごを製作         2023.8.8

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、2022年6月から実施している横浜市内のドラッグストア店舗での回収した使用済み容器より買い物かごを製作すると発表した。200kgの再生プラ回収品が集まった。買い物かごのバージン材料に5%の再生原料を配合し、横浜市内のウエルシアグループの店舗で使用される。

三菱ガス 光学用ポリカーボネートを水平マテリアルリサイクル         2023.8.10

 三菱ガスは、スマホやタブレットの小型カメラレンズに使用されている特殊ポリカーボネート樹脂の成形端材をリサイクルするプロジェクトが、環境省のプラスチック等試験循環システム構築実証事業に採択されてたと発表した。
 三菱ガスが保有する高透明性プラスチック「ユピゼータEP」は異種プラスチックがわずかでも混入した状態でリサイクル処理をすると成形後のレンズが白濁してしまう。三菱ガスはラマン分光を用いることで99.99%以上の純度で特殊ポリカーボネートのみを選別できる技術に一定のめどが立ったとしている。

東レ 廃棄漁網のリサイクル取り組みを拡大     2023.8.21

 東レは、2022年11月に日東製網および大洋エーアンドエフと共同で発表した海洋プラスチック問題に対応する「漁網to漁網リサイクル」プロジェクトに、新たに使用済み廃棄漁網を回収原料の一部とするナイロン原糸を使用した漁網を追加したと発表した。これまでは。強度や耐久面で端材や未使用漁網の原料変換にとどまっていが、技術開発によりバージン100%とそん色のない特性を持つ漁網用再生ナイロン原糸の開発に成功した。

イベント

旭化成 自社製品の適用や協働を探索するプログラムを開催         2023.8.18

 旭化成は、オープンイノベーションプラットフォームAUBAを運営するeiiconと共に、旭化成の製品の適用や加工依頼先を探索するプログラム「Asahi Kasei Value Co-Creation Table 2023」を開始すると発表した。2022年度に続き2年目となる。
 5つの募集テーマがあり、素材技術では、ポリマーエアロゲルシートやリサイクルポリアミド66の用途探索が挙げられている。また、工学・情報通信関連向けのバイオマス由来プラスチックの開発や透明・光学樹脂を加工するパートナーの探索も募集している。11月15日まで3期に分けて募集を行っている。

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