プラスチック関連動向 2024.3.22
プラスチック関連動向 2024.3.22

プラスチック関連動向 2024.3.22

政策

環境省 再資源化事業等高度化に関する法律案閣議決定      2024.3.15

 環境省は、資源循環の取組を促進するため、国として基本方針を策定し、処分量の多い産業廃棄物処分業者の再資源化の実施状況を報告するなどの項目を含む、再資源化の高度化に関する法律案を策定し、閣議決定がされたと発表した。現在開催中の通常国会に提出される。

研究

産総研 伸縮耐久性に優れたゴム材料を開発         2024.3.15

 産業技術総合研究所触媒化学融合研究センター 下山祥弘研究員らの研究グループは、AGCと共同で、高機能弾性接着剤の原料となる新素材を開発したと発表した。開発した白金触媒を用いて、変成シリコンポリマーのシリル基末端構造のシリル化率を、従来方法による85%未満を大きく上回る95%以上で製造する方法を開発した。開発した素材の硬化物は架橋構造に欠点が少ないため、従来品に比べて50%モジュラスが30%向上し、強い振動を受けても破断せずに形状を保持できる高い伸縮耐久性を示すとしている。

プラスチック、原料

信越化学 乳化剤を使用しない水系シリコーンレジンを開発         2024.3.14

 信越化学工業は、乳化剤を使用しない水系の速硬化型シリコーンレジン「KRW-6000シリーズ」を開発したと発表した。室温でも硬化が進行するが、80~150℃加熱を数分間行うことで効果が促進される。乳化剤を使用していないため、耐水性に優れた被膜を形成し、硬化後は最高硬度4Hの無機被膜となるため耐久性に優れる。耐候性塗料バインダーや添加剤に適しているとしている。

三菱ケミカルGr PVOHポリマーが欧州機関よりリサイクル可能素材として認証 2024.3.18

 三菱ケミカルグループは、ポリビニルアルコール(PVOH)の特殊銘柄ニチゴーGポリマーBVE8049Pが、欧州のリサイクル認証機関cyclos-HTPよりリサイクル可能な素材として認証されたと発表した。ニチゴーGポリマーは、生分解性のビニルアルコール樹脂で、フィルム上にコーティングできバリア材料として使用される。欧州ではフードロス削減の観点から食品包装材へのリサイクル性が求められていて、PEのリサイクルに影響を与えないバリア材料の要求が高まっている。cyclos-HTPの評価で、ニチゴーGポリマーは含有率が5wt%以下であればリサイクルが可能との結果を得た。三菱ケミカルGrでは、ニチゴーGポリマーを含むPVOH特殊銘柄について、2024年10月から岡山事業所で新プラントを稼働し、生産能力を現在の約2倍に増強するとしている。

適用

東レ イオン伝導度10倍のポリマー膜を開発    2024.3.11

 東レは、イオン伝導度が従来品比10倍となる全固体電池など次世代電池に使用されるイオン伝導ポリマー膜を創出したと発表した。リチウムイオン二次電池(LIB)の負極には金属リチウムを使用することが高エネルギー密度化のためには良いが、デンドライトの成長など課題がある。東レは、リチウムイオンがホッピング伝導と呼ばれる現象により移動するポリマー膜を創出することに成功した。開発したホッピング伝導型ポリマー膜のイオン伝導度は10-4S/cmと従来開発品の10倍の性能を示した。今後開発を進めEVやドローンなどに使用される次世代電池への適用を図っていく。

リサイクル

伊藤忠 リサイクルナイロンによる漁網を開発   2024.3.5

 伊藤忠商事は、リサイクルナイロンブランド「エコニール」を展開するイタリアに本拠を置くアクアフィル、漁網を製造する桃井製網、木下製網と共同で、リサイクルナイロンを使用した漁網を共同開発し、販売を開始したと発表した。アクアフィル社は、使用済みナイロンをケミカルリサイクルすることでカプロラクタムに戻し、再生ナイロンを製造する技術を有している。今回開発したリサイクルナイロン製漁網は、石油由来のナイロン漁網と品質が劣らないとしている。伊藤忠は2022年3月にアクアフィル社に資本参加を行っていて、今後エコニールを使用したスポーツギア等への展開を検討していくとしている。

ヴェオリア 大規模PETボトル再生工場が竣工  2024.3.14

 ヴェオリア・ジャパンは、2020年4月に三井物産、セブン&アイHDと共同で設立したサーキュラーペット(岡山県津山市)の津山工場が竣工したと発表した。キャップやラベルがついたPETボトルや飲み残しがある、リサイクルが難しい低グレードのPETボトルでもリサイクルPETを生産できる。年間25,000トンのPET樹脂を生産する能力を備えていて、今春中の稼働を予定している。

JFEエンジ 千葉市と廃棄物リサイクルで協定を締結         2024.3.15

 JFEエンジニアリングは、J&T環境株式会社と共同で、千葉市と「廃棄物リサイクル技術を活用した循環型社会・脱炭素社会づくり」に関する連携協定を締結したと発表した。協定を基に、3者間でプラスチックの原料化など廃棄物リサイクル技術の開発・活用などに取り組んでいくとしている。

ニュースウォッチ

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