プラスチック関連動向 2024.4.5
プラスチック関連動向 2024.4.5

プラスチック関連動向 2024.4.5

研究

産総研 微生物由来プラスチックでポリ乳酸の特性を改良         2024.3.26

 産総研は、神戸大学およびカネカと共同で、微生物により生合成される乳酸と3-ヒドロキシブタン酸の共重合体(LAHB)が、ポリ乳酸の伸び特性改善と海水中での生分解性を促進することを確認したと発表した。遺伝子組換え大腸菌により糖類から生合成されるLAHBを、ポリ乳酸の改質材として用いる研究を行った。単独のポリ乳酸フィルムの引張特性は数%の伸びで破断するが、LAHBを20wt%混合した複合材料フィルムは伸びが200%を超えた。また、ポリ乳酸は海洋環境条件下では生分解性はほとんど進行しないが、LAHB混合品は数十日間の誘導期間の後、生分解が急激に進むことを確認した。産総研は今後も神戸大学と共同で研究を続け、ポリ乳酸の課題を克服する最適なLAHBの構造を明らかにしていくとしている。

東ソー CNF複合化クロロプレンゴム「スカイプレン SGシリーズ」を開発       2024.3.29

 東ソーは、セルロースナノファイバー(CNF)を複合化したクロロプレンゴム「スカイプレンSGシリーズ」を開発したと発表した。CNFはゴム材料への混合が難しいという課題があったが、独自技術でCNFをクロロプレンゴムにナノレベルで均一分散させることに成功し、カーボンブラックに代わる補強材料として応用が可能となった。スカイプレンSGシリーズは、バンドー化学が伝動ベルト用材料として採用した。

旭有機材 高断熱発泡ウレタンを開発   2024.4.3

 旭有機材は、世界最高クラスの熱伝導率特性を持つ現場発泡ウレタン「BEXUR」を開発したと発表した。BEXURの熱伝導率はJIS規格の0.026W/m・Kに対し、0.021W/m・Kと高断熱特性を確保した。建設分野ではZEHやZEB特性が求められているが、BEXURは断熱材の薄肉化により、省エネCO2の削減に貢献するとしている。

適用

三菱ケミカルGr 植物由来樹脂がシチズンの腕時計バンドに採用       2024.4.2

 三菱ケミカルグループは、植物由来のポリカーボネートジオール「BENEBiOL」を使用したウレタン樹脂が、シチズン時計の腕時計バンドに採用されたと発表した。BENEBiOLは、一部に非可食物由来の原料を使用してバイオ化度最大93%を実現したポリウレタン原料だ。化石燃料由来のポリカーボネートジオールに比べて耐久性や耐薬品性に優れ、低温でも柔軟性に優れる。今回、シチズン時計の腕時計プロマスターシリーズ2024年秋冬モデルのバンドに使用された。

リサイクル

デンカ ポリスチレンのケミカルリサイクルを稼働         2024.3.19

 デンカは、持分法適用関連会社である東洋スチレンと共同して、デンカ千葉工場に使用済みポリスチレンのケミカルリサイクルプラントを竣工したと発表した。東洋スチレンが米国のAgilyx社の技術をライセンス契約し、約40億円の投資をおこなって建設を進めた。年間の処理能力は約3,000トンで、プラント竣工により、千葉県市原市と市原市内で発生した使用済みポリスチレンの回収の仕組みに着手し、ポストコンシューマー材回収システムを構築するとしている。

三井化学 廃プラ分解油でケミカルリサイクル由来製品を販売開始       2024.3.22

 三井化学は、広島県福山市のCFP社が生産した廃プラ分解油を、三井化学大阪工場のクラッカーへ投入し、マスバランス方式によるケミカルリサイクル由来の化学品やプラスチックなどの製造・販売を開始したと発表した。三井化学は2021年12月からバイオマスナフサをクラッカーに投入を開始していて、日本初のバイオ&サーキュラークラッカーの試みを推進している。
 また、三井化学は、花王が関係した廃プラを原料として、同様のスキームでリサイクルプラスチックとして製造し、花王製品に使用するケミカルリサイクルによる循環スキームの共同検討を開始すると発表した。

プライムポリマー 肥料袋の原料の一部をリサイクル樹脂に置き換え    2024.3.26

 プライムポリマーは、JA全農と連携して、一部の肥料会社向け肥料袋の原料の一部をリサイクル樹脂へ置換えると発表した。プライムポリマーは2024年2月より包装用樹脂袋の水平リサイクルの運用を開始しているが、このしくみを全農の肥料袋にも展開する。

出光興産 ホンダと使用済み自動車由来プラの再資源化で実証実験を開始     2024.3.28

 出光興産は、ホンダが使用済み自動車(ELV)から回収したプラスチックを原料として、出光の子会社ケミカルリサイクル・ジャパンが油化ケミカルリサイクル技術で生成油を生産する実証実験を開始したと発表した。出光は生成油を石油化学製品や燃料油の原料として利用可能かを確認し、ELV由来プラスチックの再資源化の可能性について検証するとしている。

レゾナック 半導体材料製造工程での使用済みプラをケミカルリサイクル         2024.3.28

 レゾナックは、半導体材料の製造工程で生じる使用済みプラスチックを自社のケミカルリサイクル技術を活用して、水素や炭酸ガスに変換する実証試験を開始したと発表した。レゾナックの山崎事業所の感光性フィルムと五井事業所のダイボンディングフィルムの製造工程から発生した廃棄プラスチックを固形燃料(RPF)に加工し、川崎プラスチックリサイクル事業(KPR)で分解し、水素および炭酸ガスを生成した。水素はアンモニアに変換し、炭酸ガスはドライアイスや飲料用炭酸として再利用する。

体制

三洋化成 高吸水性樹脂事業及び中国でのウレタン樹脂生産事業から撤退     2024.3.25

 三洋化成は、高吸水性樹脂(SAP)事業、および中国江蘇省南通市での界面活性剤、ウレタン樹脂製品等生産事業から撤退すると発表した。SAP事業はアジアでの紙おむつ時市場拡大に伴い参入者が相次ぎ、収益性が悪化した。また、ウレタン樹脂製品等を生産する中国では、汎用化学品の価格競争が激化し、製品競争力が落ちているためとしている。連結子会社である三大雅精細化学品(南通)有限公司は、全持分を譲渡する予定だ。これらの事業に関連する連結子会社であるSDPグローバルおよびマレーシアと中国の生産子会社は解散する。

DIC 液晶材料事業から撤退   2024.3.25

 DICは、液晶材料事業について2024年12月末までに事業撤退すると発表した。TFT液晶材料を1973年以来製造販売してきたが、海外メーカーとの競争激化により収益性が悪化していた。DICが保有する同事業の知財については、中国のSlichem社に譲渡するとともに、撤退事業の一部については第三者への譲渡交渉を進めているとしている。

クラレ シンガポールにEVOH樹脂新プラントを建設へ         2024.3.26

 クラレは、シンガポールにある子会社内に、投資額4.1億米ドルかけてEVOH(エバール)の新生産プラントを建設すると発表した。クラレは、エバールを日本の岡山県、米国ヒューストン。欧州ベルギーアントワープで生産している。シンガポールでは第1期分として年産18,000トンのエバール生産プラントを建設し、2026年末までに稼働を予定する。市場拡大するアジアでの生産能力増強とサプライチェーンの強化を図る。

クレハ 中国でのPVDF製造設備の増強を中止           2024.3.27

 クレハは、2021年7月に公表した中国常熟市でのフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)製造設備の増強について、中止すると発表した。また、欧州、豪州を中心に展開してきた業務用食品包装材事業での熱収縮多層フィルム事業を撤退すると発表した。
 PVDFは、中国国内の環境政策変更による日程遅延および米国インフレ抑制法によるLiB市場の環境が変わったことから、福島県いわき市でのPVDF製造設備増強により当面の需要を対応する。業務用食品包装材事業は、欧州でのインフレなどで収益性が悪化が見込まれ、事業継続が難しいと判断し、事業撤退を行うとしている。

出光興産、三井化学 千葉地区のエチレン装置を集約         2024.3.27

 出光興産と三井化学は、2027年度をめどに千葉地区の出光興産のエチレン装置を停止し、三井化学の装置に集約すると発表した。2010年に出光興産と三井化学は千葉ケミカル製造LLPを設立し、千葉地区でのエチレン装置の運用統合による生産の効率化を図ってきた。しかし、中国での大型エチレン装置の新増設および中国市場でのエチレン需要減退で、日本のエチレンの競争力が低下しているため、千葉地区でのエチレン装置の集約による生産の最適化を図る。集約後はLLPまたは合弁会社で共同運営するとしている。

レゾナック AI半導体向けフィルム、シートの生産能力を拡大         2024.3.29

 レゾナックは、AI半導体など向け絶縁接着フィルム「NCF」および放熱シート「TIM」の生産能力を従来の3.5~5倍に拡大すると発表した。AI半導体市場は拡大が予測されていて、レゾナックは約150億円を投資して、2024年以降順次生産を拡大する。

トクヤマ 新第一塩ビを吸収合併         2024.3.29

 トクヤマは、4月1日付けで完全子会社の新第一塩ビを吸収合併すると発表した。新第一塩ビは、1995年に日本ゼオン40%、住友化学30%、トクヤマ30%が出資して設立された。その後、トクヤマが出資比率を増加させ、2017年には日本ゼオンが、2023年には住友化学が撤退し、トクヤマの完全子会社となっていた。トクヤマは新第一塩ビの吸収合併での簿価差額を抱合せ株式消滅差益として、2025年度第1四半期に約90億円を特別利益として計上する予定だとしている。

住友ベークライト 日本子会社閉鎖と中国新工場竣工         2024.4.1

 住友ベークライトは、大阪府柏原市にあるフェノール樹脂成形材料製造の子会社山六化成工業を閉鎖し、住友ベークライトの静岡工場に集約すると発表した。機種ごとに2025年2月と10月末に分けて操業を停止する。
 また、中国子会社である南通住友電木の敷地内に建設していた新工場が3月20日に竣工したと発表した。南通住友電木では、フェノール樹脂生産のほか、フェノール樹脂成形材料、液状エポキシ材、フィルムシートの生産を行っていて、中国での自動車や環境エネルギー関係での需要増に対応するため、現在の生産能力の2倍となる年間約25,000トンに生産能力を拡大した工場建設を進めてきた。

ニュースウォッチ

  • 東レ、スパンボンド不織布と人工皮革を値上げ 4月出荷分から 2024.3.25
  • ヨシザワ、発泡PE端材を再生 ポリ袋化まで自社完結 2024.3.26
  • TOPPAN、インドでバリアーフィルム生産 乾燥物の包装向け 2024.3.28
  • UBE、5月定修と同時に宇部工場CPL4割削減 2024.3.28
  • 三井化学、炭素繊維強化PP事業化 2024.3.29
  • 出光興産、廃プラCR拡大 自治体ごみに照準 2024.4.2
  • DIC、易解体性エポキシ投入へ 車載電池のリユース容易に 2024.4.3
  • 旭化成、カーシートにモノマテ品 欧州規制に対応 2024.4.3
  • 東洋スチレン、不適切行為による登録停止解除 2024.4.2
  • 住友ベークライト、樹脂化提案 車載電池部材、EV軽量化に貢献 2024.4.4

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