水素・CO2利活用関連動向      2023.10.23
水素・CO2利活用関連動向      2023.10.23

水素・CO2利活用関連動向      2023.10.23

研究

産総研 ギ酸による水素製造を実証     2023.10.20

 産総研 触媒化学融合研究センター川波肇上級主任研究員は、筑波大学大学院と共同で、フロー式によるギ酸からの水素製造および生成水素を使用したSOFC燃料電池による発電システムを開発したと発表した。これまでバッチ式によるギ酸からの水素製造実証を行ってきたが、イリジウム錯体触媒をポリエチレンイミンに固定化することでフロー式で連続的に水素を製造するプロセスを開発した。

水素・アンモニア関連

東邦ガス、大陽日酸 愛知県知多での水素事業で協業         2023.10.18

 東邦ガスは、大陽日酸と水素製造事業に関して協業を行うと発表した。東邦ガスは愛知県知多市にある知多緑浜工場に1日当たり1.7トンの水素を製造するプラントを建設していて、2024年6月の運転開始を予定している。協業は、水素の輸送・供給面における設備活用や、プラントの定期点検時などにおける水素の代替調達について連携するとしている。

合成燃料関係

住友商事 もみ殻からバイオ燃料・バイオケミカルを製造する実証試験を開始   2023.10.18

 住友商事はソニーグループと共同で、新潟県胎内市の協力のもと、もみ殻から化石燃料代替エネルギー生成およびバイオケミカルを製造する実証実験を開始すると発表した。胎内市で回収したもみ殻を熱分解し、もみ殻炭を製造する。その際に発生するオフガスを精製し、水素/メタンと燃焼させることでバイオ燃料として使用する。

CCS関連

三菱重工 回収CO2の液化実証試験を開始     2023.10.16

 三菱重工は、三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET)、三菱重工冷熱とともに、ガスエンジン設備から回収したCO2を液化する共同実証試験を開始したと発表した。MHIET相模原工場の自家発電施設にあるガスエンジン設備から小型CO2回収装置「CO2MPACT」を用いて回収したCO2を三菱重工冷熱の小型CO2液化装置で液化する。CO2の液化による取り扱い性ノウハウを獲得しCCUSの普及拡大を促進する。

コスモエネルギーHD ケミカルルーピング反応技術を用いたCCUの共同検討を開始    2023.10.18

 コスモエネルギーHDは、積水化学と共同で、積水化学が持つCO2をCOへ変換する技術(ケミカルルーピング反応技術)を用いたCCUに関する共同検討について基本合意書を締結したと発表した。積水化学は独自開発した触媒と反応プロセスでCO2を90%の転嫁率でCOに変換する技術を保有している。変換されたCOはメタノールやエタノール、合成燃料の原料として使用される。コスモエネルギーグループは製油所などから発生するCO2を活用し、サステナブル製品の生産を目指すとしている。

JERA、日揮 インドネシアでの火力発電所CCSに関するFSを開始       2023.10.19

 JERAと日揮HDは、インドネシア国営電力会社(PLN)と、インドネシアでPLNが保有する火力発電所を対象としたCCS導入および事業化調査に関する覚書を締結したと発表した。PLNの子会社が保有するインドラマユ石炭火力発電所およびタンバロロックガス火力発電所へのCCS導入検討での事業性評価および課題調査となる。

関西電力 JFEスチールとCCS事業の共同検討調査         2023.10.19

 関西電力は、JFEスチールと共に、CCS事業の技術、経済性等の共同検討・調査に関する覚書を締結したと発表した。関西電力の火力発電所およびJFEの製鉄所で排出されるCO2を回収・液化・貯蔵したのち、国内外の枯渇油ガス田・耐水帯などの地下貯留する事業調査となる。

JAPEX 米国ワイオミング州でのCCS事業検討に参画         2023.10.20

 石油資源開発(JAPEX)は米国子会社を通じて、米国ワイオミング州南西部ドライパイニー地区でCCS開発事業の検討を進めているBlue Spruce Operating LLC(BSO)に資本参加し、海外でのCCS事業に参画すると発表した。BSO社は、同社が保有する鉱区から生産するガスから天然ガス、ヘリウムおよびCO2を分離回収し、天然ガスとヘリウムを販売し、CO2についてはCCSの検討に取り組んでいる。JAPEXは、ガス埋蔵量・CO2貯留可能量評価や、生産井・圧入井、生産施設やパイプラインの設計を含む技術面の検討、ならびに販売戦略を含むビジネス面の検討に携わっていくとしている。

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

川崎重工、レゾナック 川崎地区での水素発電事業開発で協業         2023.10.17

 川崎重工とレゾナックは、水素サプライチェーンの確立が見込まれる2030年頃に、レゾナックの川崎事業所で100MW以上の水素発電事業を開発することを前提とした「川崎地区の水素発電事業開発にかかる協業の覚書」を締結したと発表した。レゾナック川崎事業所のある川崎臨海部はNEDO GI基金事業「液化水素サプライチェーンの商用化実証」の対象地区として液化水素受入基地の建設予定地となっている。

HySE ダカール2024に水素小型モビリティで参加         2023.10.18

 カワサキモータース、スズキ、ホンダ、ヤマハ発動機などの組合員で構成される技術研究組合 水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE)は、2024年1月5日から19日までサウジアラビアで開催される「ダカール2024」に水素燃料エンジン車「HySE-X1」で参加すると発表した。ベルギーのオーバードライブレーシング社の車体をベースに、HySEが研究活動に用いているモーターサイクル用水素燃料エンジンを搭載する。過酷なレース環境での試験で水素エンジンの課題確認と水素エンジンのプレゼンス向上を図るとしている。

ニュースウォッチ

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