水素・CO2利活用関連ニュース      2023.7.10
水素・CO2利活用関連ニュース      2023.7.10

水素・CO2利活用関連ニュース      2023.7.10

水素・アンモニア関連

日揮HD アンモニア分解水素製造技術の研究開発 NEDO事業に採択        2023.7.6

 日揮HDは、クボタ、大陽日酸とともにNEDOの「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」に提案していた「大規模外部加熱式アンモニア分解水素製造技術の研究開発」がプロジェクトとして採択されたと発表した。

 現在、アンモニアを分解して水素を製造する技術は、小型の装置でしか商業利用されていない。今後大量の液体アンモニアを輸入し、外部加熱炉で加熱分解したのち、分解ガスを冷却して水素生成するためには、PSA方式のアンモニア分離精製装置のさらなる開発が必要となる。

 研究開発では、日揮HDが全体統括と全体プロセスの設計・開発、分解炉の設計・開発などを担当。クボタはアンモニア分解管の研究開発を、大陽日酸は水素生成装置の研究開発を担当する。

三井物産 英国パイプライン向け技術サービス会社の株式取得         2023.7.5

 三井物産は、全世界を対象に石油ガスパイプラインなどの補修に関する機器製造、技術サービスを提供する英国のスタッツ社の全株式を取得することになったと発表した。2023年夏頃にクロージング予定。

 スタッツ社は大径・高圧のパイプライン向けサービスに強みを持ち、オイルメジャーなど世界中のパイプラインオペレーターにサービスを提供している。今後、既存パイプラインが水素やCO2の回収・輸送用に転用されることが期待されることから、今回の買収につながった。

三井物産 英国チルバリー港の脱炭素化調査を実施へ         2023.7.7

 三井物産は、独エネルギー会社RWEジェネレーションの英国子会社、および、英国港湾オペレーター ポート・オブ・チルバリー社と、英国チルバリー港でのグリーン水素を用いた脱炭素化調査に関する覚書を締結したと発表した。港湾荷役機械の水素燃料電池化の実証実験に向けた調査や湾内外のグリーン水素需要に関する調査、商業化を見据えた1万kW以上のグリーン水素製造などの検証を行うとしている。

合成燃料関係

三井物産 デンマークのe-メタノール製造・販売事業に出資         2023.7.6

 三井物産は、デンマークの再生可能エネルギー会社ヨーロピアン・エナジー社傘下で太陽光発電とe-メタノール事業を保有しているカッソ・ミドコ社の株式49%を取得することなったと発表した。今後、出力304MWの太陽光発電、水電気分解、およびメタノール製造の各設備を建設し、e-メタノールを年産最大4.2万トン製造する予定。2024年から製造を開始し、デンマークの海運大手A.P.モラー・マークス社、玩具大手レゴ社、医薬大手ノボノルディスク社へ販売を行うとしている。

日揮触媒化成 合成燃料用触媒の事業を拡大    2023.7.7

 日揮グループの日揮触媒化成は、6月に取得した新潟県阿賀野市にある新潟県東部産業団地の事業用地につづき、7月に福岡県北九州市若松区にある事業用地の売買契約を締結した。合成燃料用触媒などの設備投資を行い事業を拡大していくと発表した。

 新潟の新事業用地の敷地面積は約60,000m2で、合成燃料用触媒やケミカルリサイクル用触媒・還元系吸着剤の生産を2026年度内に予定する。北九州の事業所は約50,000m2の敷地面積で、合成燃料用触媒、ケミカルリサイクル用触媒・酸化物系吸着剤、高速通信用材料、半導体用機能性研磨粒子などの生産を2024年度から2025年度にかけて開始する予定だ。

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

IHI タイにおいてCO2から低級オレフィン合成技術の実証を開始       2023.7.4

 IHIは、サイアムセメントGr傘下のSCGケミカル(SCGC)とSCGCが運営するタイの石油化学プラントで、CO2を原料とした低級オレフィンの製造技術に関する実証試験を実施すると発表した。SCGCのナフサクラッカーから排出されるガスから分離回収したCO2を、SCGCの別工程から発生する副生水素を利用して、一日当たり100kgのCO2を注入するスケールで実証試験を行う。2024年度に関連設備を設置し、2026年3月まで試験を行う予定。
 IHIは2021年度に、NEDOより「CO2を原料とした直接合成反応による低級オレフィン製造技術開発」プロジェクトを受託している。

東京ガス 排熱回収装置を内蔵した水素バーナを開発         2023.7.5

 東京ガスは、東京ガスエンジニアリングソリューションズおよび正英製作所と共に、日本で初めてとなる水素燃料が可能な排熱回収装置を内蔵した水素バーナを開発したと発表した。従来の排熱回収装置内蔵天然ガスバーナは、燃焼用空気を排ガスで予熱することで燃料使用量を約30%削減が可能とされていて、様々な製造工程で使用されている。今回の開発は排熱回収装置内蔵バーナの水素専焼を実現した。2023年10月より正英製作所が発売する。

岩谷産業 オープンラック式液体水素気化器の共同開発契約を締結       2023.7.6

 岩谷産業は、住友精密工業と液体水素用オープンラック式気化器の共同開発に関する契約を締結したと発表した。発電所など大容量の水素供給システムが必要となることを想定し、大容量LNG気化器として使用されている多数の伝熱管を並べたパネル外面に海水を流すことで、内部の液体を気化させるオープンラック式気化器を液体水素用として使用するための技術開発を行う。

MHIET 水素専焼エンジンの実証試験設備を相模原工場内で建設を開始        2023.7.6

 三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET)は、6気筒500kWクラスの水素専焼エンジンを開発し、発電セットとして相模原工場内に水素供給設備共に建設すると発表した。2024年度の実証試験の開始を目指す。

 MHIETはこれまで産総研福島再生可能エネルギー研究所において、レシプロガスエンジンを改良した単気筒エンジンで水素100%で安定燃焼できる技術開発を行ってきた。今回の実証試験では、燃焼安定性や性能、信頼性の検証のほか、発電装置として求められる安全性や性能検証を行うとしている。

丸紅 グリーンメタノールとバイオ燃料を船舶燃料に使用         2023.7.7

 丸紅、バイオ燃料技研工業および田淵海運の3社は、廃食用油を原料としたバイオディーゼルの製造時に副生されるバイオマス系廃液と、木材パルプ製造時の副生物から回収生成されるグリーンメタノールからなるバイオ燃料を、通常のバンカー重油(VLSFO)に24%混合して、田淵海運が運行、丸紅が用船する高圧LPG船に給油して安全に航行したことを確認したと発表した。一航海あたり約19%のCO2排出を削減できるとしている。

ニュースウォッチ

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