水素・CO2利活用関連動向      2023.12.11
水素・CO2利活用関連動向      2023.12.11

水素・CO2利活用関連動向      2023.12.11

水素・アンモニア関連

IHI UAEドバイでのグリーンアンモニア製造販売のFSを開始  2023.12.6

 IHIは、UAE・ドバイ首長国の国有石油・ガス公社Emirates National Oil Company(ENOC)と、ドバイおよび周辺首長国での再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニア製造・販売に関する実現可能性調査(FS)を開始したと発表した。IHIは2022年11月よりENOCとグリーンアンモニア製造に関する協議を行ってきたが、目標達成の可能性があると確認できたことから技術面を含めた総合FSに移行することに合意した。

旭化成 AEM膜開発のカナダのスタートアップに出資 2023.12.6

 旭化成は、アニオン交換型の水電解装置用の膜(AEM)を開発するカナダアイオノマーイノベーションズ社へ出資参画すると発表した。アイオノマー社のAEMは負荷変動対応に優れ、希少金属を使用しないことからコスト面でのポテンシャルも期待される。旭化成はこれまでアルカリ水電解による水素製造技術の開発を行い、福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)などで水電解システムの稼働を行っている。

三菱重工 ADNOCとブルーアンモニア、水素バリューチェーン構築に向け協力   2023.12.8

 三菱重工業は12月6日、UAEのADNOC社とブルーアンモニアおよびブルー水素のバリューチェーン構築のために協力していくと発表した。ADNOC社が保有する石油・ガス生産拠点に三菱重工が保有する水素・アンモニア焚きガスタービン、アンモニア混焼ボイラー、水素製造装置などの技術を使いながら、ADNOC社の脱炭素化に向けた取り組みを支援するとしている。

合成燃料関係

東邦ガス ベルギーのTES社とe-methaneサプライチェーン構築に関する連携覚書を締結     2023.12.4

 東邦ガスは、ベルギーのTree Energy Solutions Belgium B.V.(TES)と、e-methaneのサプライチェーン構築に関する包括連携の覚書を締結したと発表した。e-methaneのサプライチェーン構築に向けた検討や認知度向上、制度設計に関する働きかけを共同で行うとしている。

IHI 地産地消メタネーション・モデルを実証へ 2023.12.4

 IHIは、西部ガスらと共同で進めていた「地域原料活用によるコスト低減を目指したメタネーション地産地消モデルの実証」が環境省の実証事業に採択されたと発表した。実証事業では北九州市若松区にあるひびきLNG基地内で、再生可能エネルギーの余剰電力や近隣工場から発生する副生水素・未利用CO2を利用してe-methaneを製造し、コスト低減と環境価値向上を目指す。プロジェクト総括を西部ガスが行い、IHIはe-methaneの製造コスト最適化システムの開発などを担当、そのほかにJCCL、九州大学、日本ガス協会、ひびきLNGなどが参画する。

コスモ石油 タイ・バンチャック社とSAF輸入に関する合意書を締結      2023.12.6

 コスモ石油は、タイのバンチャック社と、バンチャック社からコスモ石油へSAFの輸入に関するフレーム合意書を締結したと発表した。2023年3月23日にコスモエネルギーHD、コスモ石油、バンチャック社3社で締結した共同研究に関する覚書に基づくものとなる。バンチャック社は日量1,000kL規模のSAFプラントを建設中で、2024年末ごろから商業運転を開始する予定。

DAC、CCS関連

INPEX インドネシア・アバディLNGプロジェクトでのCCS追加が承認される   2023.12.5

 INPEXは子会社INPEXマセラを通じて、インドネシア・アラフラ海マセラ鉱区アバディLNGプロジェクトで、インドネシア政府当局に提出していたCCS追加する改訂開発計画が承認されたと発表した。プロジェクトでのLNG生産量は年間950万トンを想定していて、日本の年間LNG輸入量の約1割を上回る規模になる。

東芝ESS ルーマス・テクノロジー社とCO2回収ソリューションで提携    2023.12.6

 東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)は、米国ヒューストンのエネルギーソリューション企業ルーマス・テクノロジー社とCO2分離回収プロジェクトを共同で推進するための基本提携契約を締結したと発表した。ルーマス社が排ガスからCO2を回収する燃焼後CO2回収技術を、東芝ESSがCO2回収に特化したアミン系吸収液及び吸収液に適したシステム設計を提供するとしている。

千代田化工 電源開発向けCO2分離回収・圧縮液化設備のFSを受注    2023.12.7

 千代田化工は、電源開発(J-Power)から、JOGMECの令和5年度「先進的CCS事業の実施に係る調査」で委託調査業務に採択された九州北部沖から西部沖CCS事業で、J-Powerが所有する火力発電所からのCO2分離回収・圧縮液化設備に関するFS業務を受注したと発表した。

ENEOS ClimeworksのDAC装置を導入    2023.12.8

 ENEOSは、ClimeworlksのDAC装置を神奈川県横浜市にあるENEOSの中央研究所に導入し、実証試験を開始したと発表した。CO2回収量は一日あたり約75kgで、回収したCO2を合成燃料の原料の一部として使用することを検討する。年間の気温差が激しく、高温多湿の日本の気候環境下でのDAC装置の性能を検証する。アジア太平洋地域でClimeworksのDAC装置を導入するのはENEOSが初めてとなる。

JAPEX インドネシア・スコワティ油田でのCO2圧入試験を開始         2023.12.8

 石油資源開発(JAPEX)は、インドネシア国営エネルギー会社プルタミナなどと、インドネシア東ジャワ州のスコワティ油田でのCO2圧入試験を開始したと発表した。2023年7月に締結した共同研究契約に基づいた試験で、CO2圧入によるCO2-EORおよびCO2の貯留効果の検証を行うとしている。

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

川重冷熱工業 水素混焼貫流ボイラを発売       2023.12.5

 川重冷熱工業は、水素混焼仕様の大型貫流ボイラ「Ifrit(イフリート)」シリーズを2023年12月より発売すると発表した。「Ifrit(イフリート)」シリーズに水素ガスとLNG燃焼を水素専焼、水素・LNG混焼、LNG専焼の3つのモードを選定できる。混焼時は水素を熱量比0~30%までの任意の割合で利用可能にしたとしている。

住友商事 シンガポールと米国での自動車運搬船に燃料アンモニアを供給へ      2023.12.6

 住友商事は、ノルウェイの海運会社ホーグオートライナーズと、シンガポール港および米国ジャクソンビル港における自動車運搬船向け燃料アンモニアを2027年から供給する基本合意書を締結したと発表した。ホーグオートライナーズはオーロラ級の自動車運搬船を12隻建造発注中で、海上輸送の脱炭素化に取り組んでいる。

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