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クリーンエネルギー関連動向 2026年前半
クリーンエネルギー関連動向 2026年前半

クリーンエネルギー関連動向 2026年前半

2026年前半期に重工業及びエンジニアリング企業各社が発表したクリーンエネルギー関連動向をまとめる。

水素

 水素をクリーンエネルギーの主力として推進している川崎重工業が、水素サプライチェーン構築のために必要な設備、機器などのインフラ開発・実証を進めるほか、液体水素運搬船の造船契約や水素消費先としての水素混焼または専焼ガスタービンやエンジンの開発、運転開始を発表した。また、液化水素関連技術を基に、ニュージーランドやカナダと液化水素サプライチェーン構築に関する覚書などを締結している。

 川崎重工以外では、水素製造装置の水電解スタック技術を保有するカナデビアが、インドおよびオマーンでのグリーン水素事業での覚書等を締結している。また、INPEXは、柏崎水素パークで推進している「ブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験」で得られる水素により発電した電力の供給を開始した。

 一方、中東での戦争などの影響で足元の化石由来燃料の確保に注目が浴び、コスト高もあり関心が薄れつつある液体水素に関して、国際競争力の低下を懸念する水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)は、5月29日、高市内閣に水素社会実装に向けた取組強化を趣旨とした政策提言を手交した。

アンモニア

 クリーンエネルギーとしてアンモニアを主に推進しているIHIは、燃料アンモニアの消費先となる燃焼に関する技術開発およびJERA碧南火力発電所での商用アンモニア燃焼発電に向けた付帯設備等の建設を推進している。

 6月26日、三菱重工は、インドで製造されたグリーン水素・アンモニアをシンガポールなどで利用する場合の経済性を解析し、バリューチェーン全体の最適化で大幅なコストダウンが見込めることを提示している。

 IHIは、6社と共同で実施しているインドでのクリーンアンモニア利活用が、水素社会推進法に基づく価格差に着目した支援制度の認定を取得したと発表した。インドでのクリーンアンモニア製造に脚光が当たった。

CO2回収、CCUS

 川崎重工は、6月3日、福島県郡山市のごみ処理場に建設していたCO2分離回収システム「Kawasaki CO2 Capture(KCC)」の設置が完成し、実証試験を開始したと発表した。KCCの今後の展開が期待される。

 CCSに関しては、INPEXが、JOGMECが推進する「先進的CCS」事業での千葉県九十九里沖CCSでの試掘許可を取得している。今後、海底地下貯留可能性調査が本格化してくる。

SAF

 SAFは、日揮、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYが先行する国内SAF製造での、原料となる廃食油供給源確保の発表が相次いだ。原料調達の重要性と困難性を示している。

 HEFA(廃食用油などの水素化処理による合成パラフィンケロシン)によるSAF製造以外の展開として、日揮は、オマーンでソルガムを原料としたSAF生産の検討を発表している。木質・草木セルロースをガス化し合成ガスを生成した上で合成パラフィンを製造する技術は、FT法SAFと呼ばれる。

 出光はATJ(触媒によるアルコールの合成パラフィン軽油転換)を、森空バイオリファイナリーが計画する第二世代バイオエタノールから製造する検討が発表された。

 IHIは、CO2と水素からSAF成分を試験装置レベルで合成している。再生可能エネルギーによる水電解での水素を使用した場合、Power to Liquid(PtL)技術となる。

 このように、HEFA以外のSAF製造技術検討が進んでいる。

合成燃料

 三菱重工は、SOEC共重合により合成ガスを生成し、これらを原料としてFT合成で合成燃料を一気通貫で製造することに成功した。SAF製造コストの低減やディーゼル燃料、メタンなどの原料としての展開も可能な技術だ。

 出光は、インドのUPLと合成燃料関連事業の共同検討を開始した。e-SAFやe-メタノール等の検討も視野に入る。

 三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC)の廃棄物のガス化も合成ガス変換に関するものだ。

メタン

 INPEXが大阪ガスと共同で推進しているINPEX JAPAN長岡鉱場越路原プラント内に設置したメタネーション設備が実証運転を開始した。今後、スケールアップ検討を進める。

 三菱重工は、バイオマスのメタン発酵によるバイオガス回収技術Adbioが実用化レベルであると発表した。

 カナデビアは、スイスの子会社イノーバ社が世界各地でバイオメタンガス事業を展開する。さらに、カナデビアも沖縄ガスと共同で、沖縄でのメタネーション事業可能性調査を開始する。

メタノール

 日本では注目度が低いが、船舶用クリーンエネルギー源のひとつとして世界で注目されるメタノールに関して、出光はバンカリング実証やサプライチェーン構築検討などを進めるとともに、米国のe-メタノール製造技術開発スタートアップに出資を行い、事業連携の可能性について模索を行っている。

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