政策・規制、審議会
経産省 次世代燃料導入拡大について 2026/8/17
経済産業省は、8月17日、脱炭素燃料に関する小委員会を開催し、次世代燃料の導入拡大についての議論の進め方を提示した。2050年カーボンニュートラルを見据えた液体燃料供給像について、需要量の見通しと次世代燃料の供給ポテンシャルの試算を行い、支援措置や導入目標の設定、制度・規制の在り方を議論していくというものだ。具体的には、ガソリンへのバイオエタノール導入とSAF供給義務化の方向性について資料が提出された。
ガソリンへのバイオエタノール導入
ガソリンへのバイオエタノール導入については、中東情勢を踏まえ、バイオエタノールは中東以外の国から輸入されることから、エネルギー供給源の多角化に資するとしている。エネルギー供給構造高度化法(高度化法)で、石油精製事業者に対し、ガソリン代替用途でのバイオエタノールを原油換算で50万kL利用することを義務付けている。対象期間は2027年度に終了するため、2028年度以降の目標量・期間については今後議論を進める。

アクションプランについては、燃料品質・車両規格、燃料調達、供給インフラについて、6月のWGで計画を更新した。また、沖縄で2028年度に先行してE10対応SSの導入検討を進めていくとしている。自動車業界では、2030年代早期に、乗用車の新車販売におけるE20対応車比率を100%とすることを目指としている。
国産バイオエタノールについては、複数の製造計画が進んでいるが、燃料の安定供給とコストが課題であり、国産バイオエタノールの役割について再検討する必要性を提示している。

SAF
SAFについては、需要拡大が見込まれる中、国内製造SAFの供給能力を確保することは、産業基盤強化、国富流出防止、燃料調達多角化などの観点から重要とし、SAF供給義務化の案を提示した。2024年検討時に比べ、対象ジェット燃料供給事業者が年間10万kL以上の事業者から年間3,000kL以上のジェット燃料を対象空港の国産船向けに供給する事業者へ変更がされたほか、対象路線が指定なしから、2034年までは国際線のみを対象となった。一方、柔軟性措置については、装置トラブルによる生産量の減少、航空事業者との 間の取引不調、SAFプラント建設の中止・延期を理由とする目標の下方修正は不可と強化された。

水素、アンモニア、LOHC
旭化成 水電解・食塩電解事業向け新工場建設に自治体支援を獲得 2026/8/19
旭化成は、川崎製造所でのアルカリ水電解システムおよび塩素・苛性ソーダ製造に用いるイオン交換膜法食塩電解プロセスの新工場建設事業について、神奈川県および川崎市から交付決定を受けたと発表した。事業は、経産省のGXサプライチェーン構築支援事業に採択されていて、新工場では、年間2GW超の電解用枠および電解用膜を生産する設備を2028年度に導入し、既存の食塩電解プロセス向け設備と合わせ、年間3GW超の生産能力を構築する。
合成燃料、バイオ燃料
パナソニックエナジー 使用済み食用油をバイオディーゼル燃料へ再資源化 2026/8/6
パナソニック エナジーは、社員食堂から発生する使用済み食用油をバイオディーゼル燃料へ再資源化する取り組みを開始したと発表した。国内9拠点の社員食堂で発生する使用済み食用油をレボインターナショナルが回収・精製し、バイオディーゼル燃料に転換する。年間約7,200Lの回収量を見込む。
三井物産 デンマークでe-メタノール販売を拡大 2026/8/20
三井物産は、デンマークのヨーロピアン・エナジー社(EE社)と、e-メタノールの販売先及び用途拡大を推進していると発表した。2025年5月、A.p.モラー・マークス社に船舶燃料として出荷、今春から化学品用途として玩具大手レゴ社、医薬品大手ノボノルディスク社へ出荷を開始、エネルギー企業OMV社などへ陸上燃料用途での販売も決定した。合成燃料は、欧州再生可能エネルギー指令(REDIII)などの政策で需要拡大が見込まれており、三井物産は低炭素メタノールの供給力強化を通じて、エネルギートランスフォーメーションの実装と持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。三井物産は、EE社との合弁会社の子会社であるソーラー・バーク・カッソ(デンマーク・オーベンロー市)に設置した工場で生産している。

ENEOS E20、E10ガソリンをモータースポーツに供給 2026/8/20
ENEOSは、国内モータースポーツにエタノールを混合したガソリンを供給したと発表した。「ENEOSスーパー耐久シリーズ Empowered by BRIDGESTONE」には、エタノール20%混合ガソリン「ENEOS EARTH ONE(E20)」を、2026年4月から協賛を開始した「SUPER GT 2026シリーズ」および「2026年全日本スーパーフォーミュラ選手権(SUPER FORMULA)」には、エタノール10%混合ガソリン「ENEOS EARTH ONE(E10)」を供給した。ENEOSは、ENEOS EARTH ONEの提供を進めるとともに、日本における低炭素燃料の認知向上および関連技術の進展に努めていくとしている。
CO2回収、DAC、CCUS
石油資源開発 苫小牧エリアで2抗目のCCS試掘を開始 2026/8/17
石油資源開発(JAPEX)は、苫小牧エリアでのCCS事業推進のため、8月15日より試掘2抗目の掘削を開始したと発表した。北海道苫小牧市真砂町に掘削リグを設置し、陸上から海底下に向かって斜めに掘り進め、CO2貯留に適した地層の存在を確認する。1坑目の試掘で得たデータとあわせて解析・評価を行い、苫小牧エリアでのCCS事業の最終的な投資判断を行う予定だ。
運搬・貯蔵、燃焼、その他
岩谷産業 水素混焼式熱風発生装置を発売 2026/8/17
岩谷産業は、サンレー冷熱と共同で、水素混焼バーナを用いた水素混焼熱風発生装置を開発し、発売を開始したと発表した。外気加熱用低NOx型水素混焼バーナを採用し、水素および都市ガス・LPGを混焼比率0~100%で任意に切り替え、熱風を発生させる。水素専焼とした場合には、従来間接加熱で行っていた用途に対して、直接加熱での対応が可能になる。最高500℃の熱風を発生する低温型と1000℃の高温型があり、食品、化学、肥料、塗装、汚泥等の乾燥をはじめ、幅広い用途での使用が期待される。
プラスチック
岩谷産業 FtoP直接リサイクル技術でペットボトルリサイクル事業に参入 2026/8/19
岩谷産業は、タイのインドラマ社と共同で、タイでFtoPダイレクトリサイクル技術(FtoP技術)による使用済みペットボトルを原料とした飲料容器の中間製品(プリフォーム)の製造を、2028年から開始すると発表した。タイでは、高品質な使用済みペットボトルの安定回収環境が整っていないため、日本で確立したリサイクル技術を適用することが困難であった。今回、原料選定や除染工程を最適化し、使用済みペットボトルからリサイクルプリフォームを製造する。リサイクルプリフォームは、岩谷産業とインドラマ社の合弁会社インドビダ社が製造し、サントリーグループ傘下のサントリー・ペプシコ社に供給が予定されている。年間供給量は約4億本としている。

統計
ニュースウォッチ
- 山梨県の長崎知事「水素事業、県を知の拠点に」 水素サミットで周知 2026/8/16
- 石油資源開発「国内CCSはCO2安保」 35年に計800万t貯留 2026/8/17
- バイオプラ、しなやかで熱に強く 大阪ガスが28年度販売 2026/8/17
- 東京ガス、下水汚泥から都市ガス主成分を製造 CO2排出実質ゼロに 2026/8/17
- CCSは中小脱炭素の受け皿 INPEX、京葉にインフラ構想 2026/8/18
- 白石工業、CCU材料「軽カル」2製法で実証設備 2026/8/19
- 三菱化工機、水素エネルギーを活用した体験型企画 2026/8/19
- 山梨県がUP州とビジネス交流、連携模索 2026/8/20
- 廃プラから基礎化学品 レゾナック、資源の循環へ実証設備 2026/8/20
- 7月エチレン稼働69% 48カ月連続90%割れ 2026/8/21
- アイカ工業、CO2固定型ケイ酸カルシウム板を発売 2026/8/21
- 栗田工業、排水中の油脂を分離 SAF原料で新事業 2026/8/21
- 住重、東ソーに混焼発電用ボイラーを納入 2026/8/21